【No.1445】5歳児健診という新たな関門

生後すぐに1ヶ月健診がある。
その後、1歳半健診があって、3歳児健診がある。
3歳児健診以降、就学まで健診がないから「5歳児健診を」というのは、新たな利権づくりにしか見えないのは私だけでしょうか。


5歳児健診、早期実現の目的に「切れ目ない診断体制」「早期に発達の課題を見つけることで安心して就学を迎える」とある。
“切れ目ない”というのはお決まりのワードで、結局、お客さんを手放しませんよ、取りこぼしませんよ、という本音を隠したもの。
そんなに検診してどうするのでしょうか。
そもそもそこで発達に課題がある子を見つけて、医療、福祉はどんなことができるのでしょうか。


「発達障害は生まれつきの障害で治らない」と言いつつ、早期に見つけて介入しようとする。
医療や福祉が早期に介入して良い変化が起きるのなら、こんなに発達障害で困る子ども達が増え続けるのはどうして?
少子化は進んでいるのだから、困る子が減るのが普通じゃない。
でも実際は就学後、学校生活でうまくいかない子たちが多くいる。
学校現場からも、そういった子の対応で「大変だ」という声が上がっている。


普通級の中に発達に課題のある子、発達障害と疑われる子が多く在籍し、問題となっている。
だから就学前にそういった子を見つけて、早期に介入し、課題を解決しよう、という流れもあって「5歳児健診」という話だが、0歳、1歳半、3歳でなす術がない医療、福祉に「5歳からの介入ならいけそう」と期待するのは無理でしょう。
というか、彼らに症状の緩和や改善、治療という視点がないのですから。
彼らが求めているのは、長く利用してくれるお客さんを獲得すること。
安定した顧客確保なのです。


幼い子を育てる親御さんをサポートすることは重要なサービスだと思います。
だが一時的に預かってもらっても、日中自分の時間が持てるようになっても、悩みや不安を聞いてくれる時間と人が持てるようになっても、金銭面で補助してもらっても、悩みの根本である我が子が良くならなければ同じことが続くだけ。


特別支援が始まってもうすぐで20年になりますが、一度も発達障害で悩む子が減った年がない。
むしろ、増え続ける一方。
普通、なんらかの介入をしたら、ポジティブな変化が生じるはずです。
そのポジティブな変化が見られないとすれば、それはその介入が間違っているか、意味がないかのどちらか。
国は長く税金を投入してきましたが、見直す気がない。
ということは、子ども自身の“改善”にはポイントを置いていないという意味です。
サービスを広く、できるだけ多くの人が利用できればOKという判断なのです。
確かに医療や福祉など、この20年間で多くの人がサービスを受けられるようになった。
でもそれ以上に発達障害で困る子、家族が増え続けている。


医療や福祉につかまると、支援を受け続けることを良しとするシステムに組み込まれてしまいます。
医療、福祉のための雌鶏化です。
雌鶏にならないためには、我が子の課題を改善し、発達を促していく道にいかなければなりません。
これからさらにもう一つの関門「5歳児健診」が導入されようとしています。
日々の発達相談で寄せられる声でも、「やっぱり“就学したら授業についていけない”“いじめられるかもしれない”という言葉には心が動かされてしまいます」とありますので、5歳児健診の関門を超えるのも、発達、改善を望む親御さんにとっては一つ大きな苦労になると思います。


学校の教室で落ち着きない子をピックアップして「この子はADHDです」とやるのは、本当に子どものためになるのでしょうか?
その子の幸せ、よりよい成長へとつながるのでしょうか。
ピックアップした先に待っているのは投薬か、特別支援という名の分離。
そこに本来あるべき、治療や改善、発達を目指した教育、援助がない限り、それはただ医療、福祉のお客さんを集めているだけに過ぎないのです。


保育園にゼロ歳児を預けたら月に30万から多いところでは50万円のお金がかかると計算されています。
じゃあ、0歳児のおうちに10万円とか、20万円渡しておうちで育ててもらえばいいじゃないかと思うのが普通の感覚ですが、それをやらないのが今の日本。
なぜなら、そうなると、企業としては安い労働力がなくなる。
50万円に群がる大人たちが困ってしまうから。
これが日本の仕組みです。


子どもの生活、人生、成長が搾取されることから守りましょう。
それには親御さんも自立することが必要です。
うまい子育て、専門的な知識など必要ありません。
それよりも主体的に子育てを行っていくという自立心です。
自ら行動し、「ああでもない。こうでもない」と試行錯誤して子育てをしていく。
そういった試みを続けていくことで、その子オリジナルの育ちが完成していく。
子育てをよりよくデザインしていくのは家族なのです。




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