【No.1443】理解を助ける支援、援助
例年よりも雪が多く降った函館。
やはり旧正月を迎えたあたりからプラスの気温が続くようになって、道路のアスファルトが見えるようになりました。
日本の気候、四季から言えば、1ヶ月半のズレがありますよね。
北海道の長い冬がようやく終わろうとしています。
今日は久しぶりのブログ更新で、「理解」について書こうと思います。
相談の依頼の多くは「我が子の発達の遅れを育ててあげたい」「我が子の〇〇について悩んでいるので対処、解決の仕方を知りたい」というものです。
最初はメールの文面でそういった相談がくるのですが、これってAIに同じ文章を書いて送っても良いのでは、と思います。
発達障害の治療や援助の実績は積み上がり、情報は溢れている。
だから、「言葉の遅れを育てたい」とAIに尋ねれば、それだったら「口の発達はいかがですか」「足の親指の力は育っていますか」なんて、すぐにhow-toが返ってくる。
今は完璧にはできないかもしれませんが、そんな時代はすぐそこまで来ているでしょう。
発達の遅れを取り戻した人、育てた人はたくさんいる。
発達障害の人あるあるの悩みを解決した人もたくさんいる。
AIは便利で素早く、そういった人、情報を繋げてくれる。
じゃあ、発達相談の仕事はなくなるか、といえば、そうは思いません。
なぜなら、本当に訊きたいのは育て方、対処法、解決の仕方じゃないから。
発達相談の仕事をして、もうすぐで丸13年になりますが、「悩み事に対する回答が得られれば満足です」という親御さんには会ったことがないのです。
いろんな悩み事、相談事がある。
しかし心から望んでいることは、「我が子のことを理解したい」という想い。
別の言い方をすれば、「理解できるはずの我が子のことが理解できず、苦しんでいる」というのが本当の姿ではないでしょうか。
一番そばにいる親である自分が我が子の言動を理解することができない、わかってあげることができない。
だからこそ、悩むし落ち込むし、その「少しでも理解してあげたい」という想いが本やネットでの情報収集、支援機関、専門家への訪問へとつながっているのだと思います。
私は発達相談という仕事を通して、まず「我が子のことを理解できない親御さん」のことを理解しようと考えています。
繰り返しになりますが、how-toを知りたければ、本やネットを調べれば私に依頼する必要はないのです。
でも敢えて人間である私のところに相談を送ってくれた。
だから理解できない親御さんを理解することに力を注ぎます。
親だからってすべて我が子のことを理解できるはずはない。
ましてや、発達に遅れや特徴がある子なのですから、その子の言動を理解するのは難しいものです。
そして次に親御さんが子どものことを理解できること、理解できるポイントが増えることの援助をする。
それが「アセスメント」というものです。
家に訪問し、実際の家庭での様子、自然な普段の様子を見ることで、その子の発達の段階や特徴、言動の背景を読み解き、家族に解説していく。
そういった子どもの理解が進めば、おのずと最初に悩み、相談した内容の解決法、育て方がみえてくるものです。
実際の発達相談の場面でも、そうやって親御さんと一緒にアセスメントを進めていく中で、「こうやって育てたらいいかも」「あの問題はこうやったらよくなるかも」と夫婦で答えを導き出した、なんてことも多々ありますね。
そういった素晴らしい変化はもう一つあります。
親御さんの理解が進むと、次は子どもさんが変化するのです。
どんなに知的に重くても、言葉がなくても、「理解してもらえている」ということは伝わるものです。
親御さんが「わかった。そういうことだったのか」と理解が広がると、険しかった子どもさんが、自分の世界に閉じこもっていた子どもさんが、関わりを持とうとしてきます。
手をつなごうとしなかった子が手を握ってきた。
目を合わせようとしなかった子が目を見つめてきた。
要求があるときだけしか来なかった子が甘えるような行動をしてきた。
驚きと感動で、その場で涙する親御さん達も、私は見てきました。
「理解」の持つ力は凄まじい。
「ひとは理解してくれる人のことを理解しようとする」
「ひとは理解してもらったと思えた瞬間、自分自身で変わろうとする」
これは私が大事にしている言葉です。
大事な我が子のことを理解できない親御さんのことを理解しようとする。
だから私を選んでくれる人がいるんだと思っています。
そして親御さんと一緒に子どもさんのことを理解しようと頑張る。
子どもさんの理解できる部分が増え、それが伝わると、子どもの中に安心感が生まれる。
自分のことを理解してくれる人に安心感を覚え、同時に今度はその相手、つまり親御さんのことを理解しようと動き出す。
それが日頃、自分の世界に閉じこもっているように見える子が関わりを持とうとし始める姿として表れるのだと考えています。
「理解を助ける支援、援助」
そういった側面がこれから先の社会、発達相談でますます求められるものと思っています。
AIが身近になったからこそ、ですね。

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