【No.1438】「自閉症は変化が苦手」と「マスクをしないと感染する」
私が学生の頃、自閉っ子のママたちは金曜日が大忙しでした。
なぜなら、週末の予定を決めないといけないから。
「自閉症の人には事前に予定を伝える」
という有名支援者の教えのもと、土曜日はこうして、日曜日はああして、という具合に事細かく予定をたて、それに伴う視覚的なスケジュールをせっせと作成していました。
時間がわかる子の場合は、何時何分になったら家を出る、みたいなことまで事前に知らせるのです。
ここまでだったら、定型の子ども達、ご家庭でもやるようなことなので、極端に大変だったといえないかもしれませんが、もう一つ、自閉っ子ママたちを苦しめていた自閉症支援の掟が「自閉症の人は変化(変更)が苦手」というもの。
「事前に予定を決めて伝える」+「変更はなし」となると、一気にハードになる。
私なんかは「どうせ予定を立てていても、急に雨が降ることだってあるだろうし、急用、急病になることだってあるんだから、最初から無理では」なんて思っていましたが、当時のママたちは出かける場所のトイレはどこにあって、遊ぶ場所、休憩場所、パニックになったらここ、みたいな感じで下調べもして、一日、なにがあっても最初に伝えた予定通りに進めようとしていたのでした。
そりゃあ、苦しくなりますよね、子育て、週末、我が子と過ごす時間が。
まあ、これは支援学校でもそうやっていましたけど。
そして有名支援者の研修でも、教育実習に来た私達にも、同様の指導が行われていました。
で社会人になり、アメリカに研修に行くと、これは間違いだった、ジャパンオリジナルだったことがわかったのです。
だってアメリカの研修で最初に教わったのが、「変更、変化に対応できるように子どものときから教えていく」ということ。
変更が苦手だから変更がないようにする日本人と、変更が苦手だから変更に対応できるように育てるアメリカ人。
どっちが自立度、将来の生活の幅を広げるかといえば、言うまでもありません。
島国で天変地異にビクビクしていた民族と、荒野を駆け巡っていたカウボーイとの違いでしょうか(笑)
自閉っ子がパニックになろうがお構いなし。
「だって、変更は起きるもんだし、コントロールできないでしょ」と言う。
日本でもそんな当たり前のことをちゃんと教えてあげればいいのに、有名支援者たちは「パニックは起こさせてはいけない」なんて不安商法をするもんだから、まじめな日本人は支援する側も自閉症になる。
私は研修から帰国したあと、「変化に対応できる力を育てる」という方針に転換していきました。
当時働いていた入所施設でも、独立したあとの発達相談でも。
アスペルガーや高機能と言われていた子だけでなく、知的障害が重い子、自閉症の特性が強い子も、最初は混乱しいましたが、徐々に学習し適応力を身に付けていきました。
「変化、変更に落ち着いて対処できる」って、とても大事なスキルだと思うのです。
「自閉症は変化が苦手」というのと、「だから変更はなくす」「変更に対応するスキルは教えない」は違いますね。
このような支援者の考え、誤った認識によって、却ってステレオタイプの自閉症が作られていくのだと実感する出来事でした。
数年前、日本中がバカ騒ぎをしたコロナ騒動。
マスクを着けていたから感染しなかった。
マスクを外したから感染した。
私達の回りには無数のウィルス、細菌が存在していて、私たちの体内にすら共存という形で存在している。
いくら消毒しようがウィルスを無くすことはできない。
満員電車の中で感染する人もいれば、まったく感染、発症しない人もいる。
結局、その人の免疫との関係でしょ。
免疫が弱っている人は少量のウィルスに暴露しただけで発症する。
免疫が充実している人は大量のウィルスに暴露しても咳すら出ない。
高齢者や疾患のある人は仕方がないかもしれませんが、子ども達だったら環境をコントロールして無菌状態にするよりも、免疫を育て、向上させるほうが良いのは当たり前。
いま、そうやって無菌状態で育てちゃった子ども達が苦しんでいるでしょ。
母体、胎児や乳幼児が農薬、化学物質などに暴露すると、神経発達に影響が出るのはほぼ確実だといえます。
私の経験からも、農家さん、交通量の多い道路、高速道路、工場の近く、古い上下水道の地域に住むご家庭からの相談が多いのは傾向として出ています。
出張で全国各地に、また相談メールでも、地域の偏りがわかります。
宮古島が話題になっていましたが、北海道のある学校では全校児童40名中20名以上が発達障害という地域もあります。
欧米で行われているように妊娠を考えているカップル(男女とも)は、半年、一年前から食べ物、環境、運動で身体を整え、赤ちゃんのリスクを下げるための取り組みを行っています。
これは日本でもやらなければならないと思いますし、私の相談でもそのような助言を行っています。
赤ちゃんの脳、神経は脆弱ですから。
でも一方で、この日本で生きていくにはウィルス同様、農薬も、化学物質も、ゼロにすることはできません。
じゃあ、どうするのか。
その方法の一つとして、無理に暴露する必要はありませんが、そういったものに適応できる、または暴露してもすぐに回復できる心身を育てていくことも必要だと私は思うのです。
私が関わってきたご家族、子ども達は排泄がうまくいくようになると、そういった化学物質などへの対応力がつくように感じます。
おしっこやうんちがちゃんと出る。
汗がしっかりかけて、呼吸が、特にしっかり空気を吐くことができる。
そういった子ども達は「以前より大丈夫になりました」と報告がくることが多いですね。
農薬ゼロ、化学物質ゼロ、電磁波ゼロ、無垢な家。
私もそういった環境が理想なのはわかります。
でも、それらを目指すよりも、「排泄が整うように」「汗がかけるように」「ちゃんと呼吸ができるように」と目指す方が現実的で、可能性が高いと思いませんか。
みんな「北の国から」みたいな生活はできません。
それに宮古島は都会に住む人達よりも、ずっとずっと自然豊かな中で暮らしていると思いますが、そこで発達障害が急増しています。
赤ちゃんを守るためには体内に入れるモノを調整、考えることは必要です。
そして生まれたあとの子育てでは、環境に対処、適応できる力を育んでいきたいものですね。

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