「問題行動は、事前に対応」って知ってますけど・・・

「問題行動は、起こる前に対応することが大切」とよく言われますし、私もそのように教わりました。
実際、いろいろな自閉症の人たちの支援に携わってみて感じることは、「問題行動が起きてから、その行動を減らすことは難しい」ということです。
やはり問題行動は、事前に手を打っておくことが一番だと私も実感しています。
しかし、その一方で「問題行動につながる行動を予想し、未然に対応することも難しい」ということも感じます。

"問題につながる行動"を完全に防ごうと思ったら、あれもこれも行動の制限を加えることになります。
「将来、少しでも問題行動につながる可能性があるものの芽を摘んでおこう」と思ったら、極端なことを言えば、「何もさせない」という結論に近づいていきます。
でも、本人の生活の質や将来を考えたら、いろいろな経験や学びをさせたいし、可能性を信じ、挑戦もさせてあげたいと思うことは、自然なことだと思います。

また、いくら気をつけていたとしても、成長の過程の中で、いろいろな人と関わることになるし、それぞれの環境の中で刺激を受けることになります。
そして、どうしてかはわかりませんが、覚えてほしくない行動に限って、よく覚えてしまいます(笑)
このように、問題行動につながる行動を完全に防ぐことは難しいと思います。

理想は置いといて、現実としてはみなさん"起きてしまった問題行動"に対して、「どのように対応していったら良いか」について一番知りたいのではないでしょうか??

成長する過程の中で、「まったく問題がありません」「心配なこともありません」と言える家族や支援者はほとんどいないと思います。
自閉症の人たちは、定型発達の人とは脳の違いがありますので、刺激の受け取り方も、物事の捉え方も、感覚や運動機能にも、定型発達の人とは異なる困難さがあります。
ですから、成長の過程で、定型発達の人が多数派なこの世界の中で、自閉症の人に問題となる行動が表れることは自然なことだと思います。
だったら「問題行動が出たときに、どのように解決、改善を目指していくか」について答えられたり、一緒に対応できる専門家が必要なのではないでしょうか?

現代の自閉症の子どもを持つ保護者の人たちは、そこら辺の支援者より、専門的な知識と情熱を持っていると感じることが多くあります。
保護者のみなさんは、「問題行動は事前に対応する」という言葉は知っています。
そんな保護者のみなさんが本当に求めているのは、問題行動が起きたときに、一緒に解決、改善へと向かっていけるパートナーだと思います。
様々な自閉症の専門家が「問題行動は事前に対応する」と言っているのは、それだけ問題行動に対応することが難しいという意味の裏返しだと考えています。

過去の経験や自閉症に関する専門的な知識や技能が、みなさんのお役に立てるかもしれません。
一緒に悩み、解決、改善に向けて歩みだしましょう!
家族だけで悩まず、家庭だけで抱えず、「てらっこ塾」にご連絡ください☆
家庭の中で起きた問題は、家庭という場所で解決、改善していくことが近道です!!

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