経営感覚も必要!

アメリカで自閉症の人たちが働く農場を見学させていただきました。
その農場の経営のトップは、自閉症の専門家ではありませんでした。
あくまで経営が専門の人です。
では自閉症の知識を持った人がスタッフにいないかというとそうではありません。
経営のトップを支える立場として自閉症専門の人がいます。
また現場で実際に自閉症の人たちを支援するのも自閉症の知識を持ったスタッフです。
「福祉の視点のみではなく、経営の感覚も必要である」
農場のスタッフが強調して話されていたことです。

"経営の感覚"は、日本の障害を持った人たちが働く場所でも、もっと必要だと考えています。
商売を行っている以上、お客さんが買いたいと思うものを提供することが大切です。
今の日本では、福祉を前面に出した商売やあまり買う人がいない商売では経営を続けていくことが難しいといえます。
経営が難しい商売は、どのようにして継続していくか?
それはどんな商売でも同じで、従業員の給料を下げることです。
結局、最後には弱い立場の人が我慢しなければなりません。

先のアメリカの農場は、きちんと黒字を出しているとのことでした。
ちなみに働く自閉症の人はほとんどが重度の知的障害を併せ持っていました。
自閉症の人、一人ひとりに合った仕事や支援を提供する自閉症専門のスタッフと、経営の観点で商売を行う専門のスタッフ。
この両方のスタッフがいて、自閉症の人たちの適切な労働環境が整うのだと思います。

障害を持った人たちを雇っているから経営がうまくいかないのではありません。
経営がうまくないから商売が成り立たないのです。
障害を持っているからできる仕事がないのではありません。
仕事に障害を持った人たちを合わせているからできないのです。
日本でも経営がうまくいき、適切な賃金が障害を持った人たちに払われる働く場を増やしていかなければなりません。

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