【No.1409】”胎児期のヌケ”に新たな視点
昨日は「制限を取っ払った状況、なにものにも縛られず、自由な環境こそが、その子本来の支援、治療、学習の姿が現れる」というお話をしました。
でも、だからといってみんながみんな、無人島のような環境の中にいれば、「勝手に育つ、勝手に課題をクリアしていく」とは言い切れないと思っています。
いや、確かに現代における「発達障害」という課題の大部分はそれでクリアされるはずです。
ただもう一つ重要なポイント、視点があると考えているのです。
それは「制限も、重要な発達を促す要素の一つ」ということです。
私は胎児期も大事な発達期だと考えています。
お母さんのおなかにいるときも、絶えず刺激を受け、心身共に発達をしている。
だからこそ、想像してほしいのです。
胎児は身体が大きくなるにつれて、動きに制限が加わります。
それまで羊水の中を泳いでいたのに、日に日に大きくなり、妊娠後期にはほぼ動けない状況になります。
だけれども、それがいいのです。
それが必要なのです。
手足は屈曲し、動かせる部位が限られていく。
そうなると、胎児の赤ちゃんは動かせる部位を必死に動かそうとする。
それが手や指、口などの顔の筋肉であり、捻じるというそれまでになかった動きを生むことになる。
いろんな事情により早期に生まれた子ども達は、そういった「制限された環境での発達」を抜かしていることがあります。
そして抜かしているからこそ、欲しているように見えることがあるのです。
自ら狭い空間に入っていったり、私たちから見れば物理的にも、心理的にも、行動的にも不便そうな環境づくりをしたり。
中には自らの身体を縛ったり、固定したり、敢えて動かそうとしなかったり。
環境を変え、身体機能を変えることで、自らに制限を加えている。
それは一見すると、障害児っぽさであり、障害特性であり、その子自身で行う発達援助。
発達相談でお子さんのアセスメントをしていると、このような姿、子ども達からのメッセージを感じることがあります。
「発達のヌケ」には運動発達のヌケ、進化の過程のヌケだけではなく、こういった制限された状況で育つはずのヌケもあるような気がしています。
「胎児期のヌケ」に一つ新たな視点が加わった印象です。
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