時代は人を選ぶ

いつの世も、時代が変わるときには、新しい人物が出てきます。
ですから、「人が時代を変えている」といえるかもしれません。
でも、私はそうは思えないのです。
時代の方に意思を感じてしまうのです。


新しい時代の幕開けは、前の時代を象徴する人物が去って完成します。
その人物が去るのを見て、人々は「新しい時代がやってきたんだ」と実感します。
そして次に、人々が問われるのです、「時代の流れに乗るの?抗うの?」と。


いつの世も、時代の変化に抗う人はいるものです。
変化はストレスですし、変化を受け入れるには腹が据わっている必要がありますから。
前の時代で良い思いをしていた人達は、流れに逆行しようとします。
しかし、時代の流れを止めることはできません。
何故なら、前の時代からすでに流れはあったから、目立たなかったかもしれないが。
一度できた流れを人が止めることはできないのです。
人を超えたところに意思を感じます。
そういった意味で、時代の方がその時代に合った人を選んでいる、と思えてくるのです。


新しい時代を生き抜くコツは、流れに身を任せることだと思います。
流れに乗って、さらに「その流れを加速させる」といった気概を持って行動できれば、自ずと生きやすい未来が見えてきます。
そのためにも、時代の流れに気づける眼を持っていなければなりません。
気づけなかった人は、流れに抗う人達と同じように、流れに飲みこまれてしまうのです。


自閉症、発達障害の世界も、新しい時代がやってきました。
生きづらさを訴える時代、周りが調整する時代、「一生治りませんから…」の時代は終わったのです。
これからは生きやすさを求めて、本人自らが動き、治す時代なのです。
その流れに抗おうとしても、時代の方がその人を受け入れてはくれません。


未だに「生きづらいよ」「社会の理解ガー」と言い続けている人がいます。
でも、その声に一昔前のエネルギーはないのです。
症状を改善し、持って生まれた資質を磨き、社会の中で活かす人達がたくさん出てきました。
もう珍しい稀有な存在ではありません。
私たちの身の周り、地域、社会にこのような人たちはいるのです。
ということは、今の時代が彼らを選んだのです。
治す時代、治りたいと思うこと、それに向かって行動することが普通になる時代です。


当然、支援者も、時代から選ばれる存在になります。
「昔は良かった」「前の時代なら、今まではうまくいっていた」というのでは、退場を求められるだけです。
時代が求めているものに合わせて、自らも変えていく必要があるのです。
「現状維持は退化」という言葉もあります。
時代は確実に流れていますので、立ち止まっていると、後ろに流されて行くのは自然なこと。
時代の流れと同じスピードで進むことを「現状維持」と言い、時代の流れよりも先に進むことが進歩と言います。
古い時代の終わりと、新しい時代の始まりを感じた私は、治す時代の流れの一部になろうと思います。

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