誰が見ても、一人の働く女性

昨晩、嬉しいメールが来ました。
「今日、初給料もらいました!」というメールです。
今春より社会人になった女の子…じゃなくて、女性からです。
社会人として充実した日々が送れていることがわかる文面でした。

働いて対価を得るということは、社会参加している証です。
給料明細を受け取り、その実感が得られたのでしょう。
お金よりも、「私も社会人になった」という方が大きな喜びだったように感じました。

私から聞いたわけではありませんが、「〇万〇〇〇円です」という細かい金額まで教えてくれました。
その金額を見ると、他の人と同じ条件で働いていることがわかります。
障害者枠でもなく、福祉的な就労でもなく、一般の人として働き、同じだけの対価を得ています。
店長さん以外は、知的障害があることも、自閉症であることも知りません。
ただ一人の18歳の女性として働いています。

同僚からも、お客さんからも、一人のスタッフとして接してもらっていることが嬉しいようです。
自分の気持ちの中でも、特別扱いされないことの喜びを感じているのでしょう。
今までのようにオーバーに褒められることはなく、またきちんと注意も、指導もしてくれる。
特別支援の枠を飛びだしたからこそ得られた経験です。

私は3年間、成長のお手伝いをしてきましたが、そんな3年間の学びよりも、この1か月間の方が何倍も、何十倍も多くのことを学んだんだと思います。
私は社会こそが一番成長できる場だと考えています。
朝早く出勤したり、午後から出勤して閉店まで働いたりという変則的な勤務。
新人スタッフとして覚えることが山積みの上に、他のスタッフとの関係性を築く日々…。
毎日、勤務するだけでいっぱいいっぱいの状態だと思いますが、それが充実感にもつながっている。
メールの中にあった「幸せ」という文字は、大変ながらも充実感を得られていることと結びついているのでしょう。

仕事の後に、コンビニでデザートを買ったり、一人でお店に入ってお茶や食事をしたりしているそうです。
学校時代は、そんなことをしたこともなかったのに!
きちっとした服を着て、化粧をし、バリバリ働き、仕事が終わったあと、喫茶店で食事をする…誰が見ても、ついこないだまで特別支援学校に通っていた女性だとは思わないはずです。
この姿こそが、本人も、家族も、私も望んでいた姿です。

脳のタイプとしては自閉症のままですが、社会的に見れば障害者ではない。
彼女のような人を社会に送りだすお手伝いをどんどんしていきたいですね。
そのためにも発達援助を行い、社会的障害者を治す取り組みをしていきたいと思っています。
私の心のエネルギーが溜まる(笑)新社会人からのメールでした。

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