受容から一歩前へ

「この子たちは、生きているだけで素晴らしいんですよ!」
「この子たちは、十分頑張っています。変わるのは社会の方なんです!」
などと、有名な先生は仰っていた。

確かに、この世に生まれてきた人は、すべて意味があって生まれてきたと思っている。
生きていることは素晴らしい。
でも、だからと言って、その人自身は成長しなくても良いのだろうか。
でも、だからと言って、社会だけが変われば良いのだろうか。

障害を持って生まれてきたことが分かったとき、親御さんの気持ちは絶望、不安、ショックなどという言葉で表せないと思う。
そんなとき、親御さんの心に寄り添うことは支援者として唯一できること。
冒頭の言葉は、受容できる前の親御さんへのメッセージ。

でも、いつまでも温かいメッセージを受け取り続けるわけにはいかない。
子ども自身は、日々、大人へと向かい歩み始めている。
私たちが生きる社会は、夢の国ではなく、現実の社会。
厳しい社会の中で生き、充実した人生を送るためにも成長が必要だし、子ども達自身もそれを望んでいる。
それに合わせて親御さんも足を前に進めていかなければならない。

敢えて耳触りの悪いことを言うのも支援者の役目。
過去に、そして今も、親御さんたちを夢の国に連れていこうとする支援者の功罪は軽くない。
私は夢の中ではなく、現実に生きる支援者でい続けよう。

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