「もう1回、実習に来てください」の意味は?

養護学校で行われる現場実習。
実習先から「もう1回、実習にきてください」と言われたら、どのような意味で受け取りますか?

実習先が作業所だったり、福祉施設だったりすると、
「もう1回、実習して良いということは、相手が好意的に受け止めてくれているんだ」
「これはほぼ決まりということだから、卒業までに本人のことを詳しく知っておきたいのだろう」
など、前向きに捉えられることが多いです。

しかし、この実習先が民間の企業だったりすると、意味合いが異なってきます。
民間企業の側からすると、何度も実習を受け入れることのメリットはあまりありません。
実習に来れば、少なからず気を使わなければなりませんし、仕事の能率は低下することもあります。
障害を持った人を積極的に雇おう、と考えている民間企業でなければ、「もう1回、実習に来てください」という意味は好意的なものではなく、雇うのには不安がある、という意味の方が強いと考えられます。
第一、「是非我が社に来てほしい」と思うような人材でしたら、1度の実習で内定、採用となります。

実習先が民間企業なのに、「もう1回、実習に来てください」という意味を反対の意味で捉えてしまうと大変です。
「もう就職は大丈夫だ」というように安心していると、大どんでん返しということもあります。
一般就労、民間企業を目指す養護学校の生徒と言いますか、進路指導をする立場の支援者は特に上記のことを心する必要があると思います。
「障害を持った子ども達に理解がある、好意的である、受け入れてくれる」といった福祉的な尺度で、現場実習、一般就労を考えていると危険だ、ということを改めて考えさせられるエピソードを聞き、このような文章を書きました。

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