選ばれるのではなく、選ぶ支援

私が親御さんによく言うのは「支援者に選ばれるのではなく、選ぶようにならなくてはいけませんよ」ということ。
どんなときに言うかといったら、親御さんが支援者の悪口を言っているとき。
「あの担任、ぜんぜんわかってない」
「あそこに通っているけれど、何も変わらない」
などなど。

私は「嫌だったら、選択しなければ良い」と思うのです。
だって、そうではありませんか。
時間と労力がもったいない。
親御さんが効果がないと気が付いているならなおさらです。

そうはいうものの、「担任は変えられないじゃない!」という意見ですか?
現実的には、学校の担任を変えることは無理ですし、療育機関でも同じでしょう。
私は実際の支援者を変えるのではなく、よくないと思う支援に対する依存度を下げ、それに代わる支援を選択すればよい、と考えているのです。
つまり、受動的ではなく、能動的に支援を選択していきましょう、というメッセージです。

よく「時間が解決してくれる」などと言う人もいますが、私はまったくそうは思いません。
それだったら、こんなにも多くの自閉症の人たちが悩んだり、苦しんだりしていないはずです。
自閉症の人は同一性を好み、変化を苦手とする方たちです。
時間が経てば経つほど、思考や行動は固まり、変えることが難しくなります。
だからこそ、与えられる支援に一喜一憂するのではなく、自ら良いと思う支援をどんどん選択して、実行していく必要があると思います。

親御さんのガス抜きという点では、私はお話を聞きます。
ただ、悪口を言っていても、本人たちは変わっていきません。
そして時間が解決することもありません。
だからこそ、本人の成長が感じられ、心身ともに健康になっていくような支援を自分たちの手で掴んでいってほしいと願うのです。
肩書や専門用語ではなく、自分に合った支援を!

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