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【No.1257】関係性で表れる"発達の遅れ"という現象

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先日、おばあちゃんから孫と娘夫婦のことで相談がありました。 言葉が出ない孫に対して、娘が発達障害ではないか、きっとそうだと思い込み、パニックになっていると。 ですから私は勝手に3歳くらいのお子さんかなと思ったのですが、お孫さんの年齢を聞けば、まだ1歳半とのこと。 ネットで調べれば、ほとんどの子どもさんが1歳半の時点で初語が見られるという記事が出てきますが、だからといってすぐに発達障害になるわけでも、今後一切言葉がでないわけでもないと思います。 そのおばあちゃんも言っていたのですが、昔は小学校でもしゃべれない子がいた、と。 そういった子も、気がついたら話ができるようになっているもので、私が知っているだけでも小学校以降、言葉が出るようになった人は何名もいますね。 娘はネットで調べたことばかりで聞く耳を持ってくれないとおっしゃっていましたが、その根っこはおばあちゃんと娘との関係性の中にあるように感じました。 発達の遅れは、観察できるモノではありません。 それは現象であって、様々な出来事との関係性の中で表れているのだといえます。 つまり、発達の遅れというモノが存在しているのではなく、今この瞬間の姿でしかないのです。 しかし現実はその観察できる姿、いや、本人ではない他人が観察した姿を発達障害とラベリングしています。 その子に表れた発達の遅れは、環境(家庭、園や学校、周囲の自然、栄養、遊びなど)と、過去の出来事(胎児期からの体験、ヌケ、健康状態)、遺伝(三世代で引き継がれる資質)の関係性から見ていかないと、その輪郭は掴めないものです。 同じ言葉の遅れにしろ、お父さんが小学校高学年までほとんどしゃべらなかったとしたら、お子さんも同じくらいの時期までしゃべらない可能性が高いでしょうし、運動発達にヌケが多くあれば言葉の発達まで進まないこともあり、言葉を獲得する前の長時間のメディア視聴は言葉の発達を阻害します。 とてもシンプルに言っても、このように環境、過去の出来事、遺伝でそれぞれ遅れを生む要因はありますし、実際は様々な要因が複雑に関係し合い、またそれゆえに個別的な事象となるわけです。 本来、このように確認していかなければわからないものですが、今行われている診断はこのような仕組みにはなっていません。 もちろん、市町村が行っている健診の保健師さん達も、そこまで詳しく確認してませんし、親御

【No.1256】肺疲労の子ども達

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新刊『ポストコロナの発達援助論』を読んでくださった方から、こんなメールをいただきました。 「書いてあった食事と首の話を早速実践したら、良い変化がありました」と。 こういったお便りは嬉しいですね。 もちろん、因果関係は不明ですし、たまたま変わるタイミングだったとも考えられますが、日々の子育てのアイディアの一つととして採り入れていただき、しかもポジティブな変化があったことは、そのご家族、お子さんにとっては幸せな出来事なのですから。 昨日は8歳以下の子ども達の影響についてお話ししましたが、8歳以降と言いますか、小学生以上の子ども達への影響についても情報共有していきたいと思います。 なぜ、小学生以上かと言いますと、小学生が教師、大人の言ったことに対して一番従順な年代だからです。 中学生くらいになると、登下校、自転車に乗っているときなども、マスクを外している姿を見かけますが、小学生は常につけています。 たまにマスクをつけていない小学生を見かけると、うちの子だったりします(笑) それくらいみんな外さないし、外すことが赤信号で渡るくらい重く考えている感じです。 小学生は7時50分ごろ、家を出て、15時半くらいに帰ってきます。 これだけでも7~8時間くらいマスクをつけ続けているわけで、そこから習い事や遊びに行ったらさらに1~2時間プラス。 児童デイに通っている子だったら、長い子で18時頃までつけ続けています。 これだと起きている時間の半分以上、マスクをつけていることになりますね。 となると、一番の問題は肺の疲労になります。 数値的には人体に影響がある酸素量の低下は見られませんが、肺に負荷がかかり、少しずつ疲労が蓄積していると考えられます。 この2年間、小学生の子の相談を受けていると、どうも過敏な子と排泄面、特にうんちのほうに課題を持った子が増えたような気がします。 過敏な子が増えたのは、「呼吸が浅くなった影響かな」と思っていたのですが、調べていくと肺の状態、動きと皮膚&体毛は関連があるようで、肺の疲労→皮膚&体毛の状態悪化→外刺激への抵抗力低下→防御反応としての過敏さ、という感じです。 あと嗅覚に課題を持っている子も増えた感じがします。 排便に関しても、肺と大腸の動きはそれぞれが密接に関わっているということでしたので、肺疲労がうんちを押しだす力の低下となり、便秘やスッキリ出しきらな

【No.1255】医療を待っていても、子どもの発達は待ってはくれない

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新型コロナの後遺症は認められるのに、ワクチン後遺症はダメというのは困ったものです。 言い分としては、一個人の医師が勝手に『ワクチン後遺症』などの診断をするな、ということなのでしょうが、たぶん、その基準は医学会をあげて作る予定も、作るはずもないですよね。 もし作ってしまったら、責任と補償の話になりますので。 ワクチンメーカーの免責は契約書に書かれているようですし、責任の所在である国としても認めたくないし、認めざるを得ない状況になっても、かなり狭い範囲での認定になるはずです。 既にワクチン接種後にお亡くなりになっている方がいるわけで、過去に戻って詳細な検視をすることも、そして何よりも万が一認められたとしても命は戻ってこないのです。 公的な診断基準がないのは当然なことで、こういった問題の気づきはやはり現場レベルで起きるのだと思います。 そもそも交通事故でも、自殺でも、PCRが陽性になったら『コロナ死』になるのは、データを集めて傾向を見るためでしたよね。 陽性者の死因の中で自殺が有意に頻繁に起きているのなら、そこから自殺と新型コロナの関連性、もしかしたら脳の特定の部位に影響があるのかも、といって研究が進められていくわけです。 治験中のワクチンですから、当然といえば当然です。 異変に気がつくのは本人、家族が最初で、次は現場で接している人達だといえます。 個人的なエピソードから始まり、そういったケースが積み重なっていくと、研究が行われる。 その過程の中で、個人と向き合う医師や支援者が「どうにかしたい」と懸命に治療していくと、「もしかしたら有効かも」といえる治療法が見つかる。 そして最後に治療法とセットで診断基準ができるのだと思います。 治療法や改善法のない診断は、そもそも必要がないんですね。 「マスクで発達に影響があるのなら、高地に住んでいる人達、民族はみんな発達障害になるのか」という意見もあります。 たぶん、そういった意見もあることと思い、調べておいたのですが、そういった人々は長年その土地に住むことで高地で空気が薄い環境に適した人が、遺伝子が淘汰されているため、影響が出ないということでした。 南米は標高が2000m以上のところで生活している人達が多くいて、そういった人達は百年、千年単位で人間自体が変化してきたわけです。 日本人がそういった場所に行くと、すぐに体調を崩してしまい

【No.1254】食事は単なる栄養素の足し算ではない

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2,3年前でしょうか、栄養療法が発達障害の世界でもブームになったのは。 当時はどこのご家庭でもプロティンとサプリがあり、高タンパク質&低糖質の食事を心掛けていたと思います。 確かに発達障害も、神経の発達に課題がある子ども達ですので、その神経発達に必要な栄養を整えていくことは意義があったことだといえます。 実際、栄養を見直したあと、落ち着いて学習ができるようになったり、発達、成長のスピードが加速したように感じられたりしました。 ですから、私も栄養療法の紹介は積極的に行っていました。 しかしそれから月日が経ち、私が思い描いていた栄養療法のイメージと、それを受け取った親御さんのイメージの間にギャップがあるような気がしてきました。 私が栄養療法を知ったとき、最初に思ったのは「根本治癒の道が一つ明らかになったな」ということです。 つまり、栄養を整えることで発達障害が改善するということは、その子の栄養状態に問題があるからで、その根っこは日々の食事のメニューと量、本人の偏食や小食、胎児期の栄養状態、親御さんの栄養状態、母乳かどうか、などがあるのだと考えたのです。 「発達障害が栄養療法で良くなる」が、いつの間にか「発達障害は栄養療法で良くなる」に変わっていったように感じています。 その子が発達障害だからといって、栄養療法で良くなるとは限りません。 もちろん、栄養は発達障害以前にヒトとして、動物として大事なことですので、それを整えていくことはプラスになると思うのですが、それでも「栄養が本来のその子の発達を阻害している」という前提がなければ、治ってはいかないと思うんです。 ですから栄養療法という視点を得た私は、改善法としてというよりも、根本治癒を目指すためのアセスメントの一つとして捉えていました。 アセスメントの基本原理として、現在から過去の順番に、生理的な反応から動き→感情→言葉の信頼度というものがあります。 ですから栄養面のアセスメントで言えば、今の食事と量、偏食の有無、排泄の状態、嗅覚&味覚の発達状態、舌の動き、嚥下の力、あごの大きさ、唇の過敏さ、歯並び、乳歯or永久歯(生え変わりの時期)  かなど、今の状態から確認していきます。 そしてその後、現在から赤ちゃん時代、胎児期に向かっていき、さらに親御さんの世代、祖父母の世代へと発達の歴史を辿っていきます。 そうやって辿っていく中で

【No.1253】特別支援の世界に親子を閉じ込めてしまってはいないだろうか

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やっぱり免疫の訓練は大事だと思うんです。 特に子ども達、若者たちはリンパ系がダイナミックに発達する時期ですから、いろんな細菌やウィルスなどの刺激を受け、免疫記憶を獲得するとともに、自身の免疫を育てる必要があるといえます。 コロナ以前から抗菌や除菌された環境、外遊びなどをしない中で育つ子ども達が増えていました。 それが子ども達のアレルギーや腸の問題と関係しているという医師もいます。 赤ちゃんは産道を通るときに、体内に細菌などを取り入れ、母乳によって免疫物質を受け取ります。 そして自然免疫が育ち始まる1歳半ごろから、免疫を獲得していきます。 もともと人間も動物で、今のような除菌された環境で過ごすように身体はできていませんので、腸内細菌のバランスが崩れてしまうようです。 赤ちゃんがいろんなものを嘗めるのも、子どもが泥だらけになって遊ぶのも、もっといえば鼻くそをほじって食べるのも、体内、腸内に雑菌を取り入れている行為であり、それが身体のバランスには必要だったんですね。 そういった雑菌に触れる機会が少ない環境が免疫の過剰反応と繋がり、過剰なアレルギー反応となっているそうです。 発達障害の子ども達にも、アレルギーや腸に課題を持っている子が少なくないですが、運動発達のヌケ→遊びの狭さ→外遊びの経験不足→腸内細菌のバランスの崩れ、ということもあるかもしれないと思いました。 子どもは風邪を引くのが、大事な発達イベントの一つなのに、なんだか風邪もひいちゃいけないような2年間が過ぎようとしています。 子どもは鼻を垂らしながら、みんなで遊び、お互いにウィルス交換しながら強くなっていってたと思いますね。 そういえば、村のお祭りも、一堂に集まり、定期的にウィルス交換し、集団免疫を作ることに繋がっていたという話もあります。 そう考えると、子どもも、大人も、みんなで集まり、交流することが個人の免疫を刺激し、それが健康につながっていたといえます。 「高齢者を守るために」と散々言われてきましたが、不安を煽り、誰にも会わない状況を作ることは、却って免疫を刺激する機会を失い、さらに筋力や脳の老化に拍車をかける結果になったように感じます。 この「高齢者を守るために」と似たようなことが、特別支援の世界でも起きているような気がします。 これは発達障害の本人ではなく、その子を育てる親御さんにです。 親御さんは良か

【No.1252】特別支援の世界にある「科学」

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昨年の秋、どうして第五波の(さざ)波が収まったのかを尋ねられた感染学の専門家の教授が「皆さんがピタッとマスクをつけるようになったから」と言っていましたね。 ということは、現在の陽性者が減り続けているのは、ピタッとマスクが増えてきたからでしょうか(笑) 欧米で減らなかったのは、彼らの高い御鼻が邪魔をしてピタッとができなかったからでしょうか(笑) そんなに簡単なことで波が収まるのなら、まん防なんかしないで「ピタットマスク週間」と都知事がフリップ芸をすればよかったのに。 歌舞伎町に始まり、人流や飲食店など、科学的とは言えない専門家の発言が目立ちました。 結局、感染予防にどんな対策が効果的だったのでしょうか。 誰一人として、その対策について科学的な結論を出した人はいません。 ですから、なんとなくやっているマスクも、消毒液も、アクリル板も、やめられない、止め時がわからなくなっている。 科学を無視した専門家と、権威に従うだけの羊たちの合作により、コロナ騒動は生まれ、続いているのだと思います。 これは小学校レベルの話ですが、科学の基本は再現性です。 マスクをピタッとつけたら感染しなかった。 でも、マスクに隙間を作ったら感染した。 そのように「Aをしたら、常に結果がBとなる」、それを明らかにしていくことが科学の基本だといえます。 ですから飲食店の20時を決めるのなら、ウィルスが20時を過ぎたあたりから活発になるか、19時59分まで飲んでいた人と、20時00分に飲んでいた人とを比較し、その違いを証明しなければなりませんね。 この国では「エビデンス」も、「科学」も、自分の無能さを隠すための道具なんだと思います。 本当の意味で、科学的な思考ができる人はごく僅かなのでしょう。 もしくは「それは科学とは言えないな」と思っていても、権威や他人の目と比べれば、その優先順位が下がってしまう人が多いのでしょう。 試験管の中や対象が物質などでしたら、A→Bという100%の再現性が証明できると思います。 しかし、こと対象が人となると、条件がコントロールできませんので、つまり、個人差が複雑で、それを構成する要素が無限にありますので、必ず100%というのは不可能な話です。 そうなると、やった場合とやらなかった場合の差を見て、それが偶然な差なのか、明らかに偶然とは言えない差なのかをみて、効果のあるなしを判断し

【No.1251】社会が変わることを望んでいても、その子の子ども時代が過ぎていくだけ

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自閉症やADHDなどの神経発達症の原因に関する研究は、何十年も前から進められていて、多くのリスク因子が特定されています。 しかし、後天的に、また環境の影響によって神経発達症が生じるというと、それが受け入れられない人達がまだたくさんいます。 特にギョーカイが表向きには否定する立場ですし、根本から治す道を取らない人達ですので、その影響かにある親御さん達、支援者たちは「生まれてつきの障害」から抜け出せないでいるのです。 「生まれつきの障害」は、つまり「誰のせいでもない」、もっと言えば最大のお客様である親御さんを敵にしないための文言、セールストークでしかありません。 なぜ、そんなことが言えるか? それは専門家同士の会話の中には、普通にそういった原因に関する話が出ているから。 「お母さん、精神科薬飲んでいるからね」 「未熟児だったら仕方がないね」 「お父さん、高齢でしょ」 早産、低体重出生児がADHDになりやすいのは、発達障害に関する専門家だけではなく、産婦人科、小児科の医師、看護師の中では共通認識になっていて、実際、どうすればその予後をよくできるか研究と実践が行われています。 母乳に関する研究もそうで、母乳で育った子と人工乳で育った子を比べると、IQでいえば「約6」、偏差値で言えば「2」違うことが明らかになっています。 しかも、今のところ、その差は生涯縮まらない、それを縮める手段が見つかっていない状況です。 そのため、人工乳の研究では、どれだけ母乳に近づけるか、その挑戦が世界中で行われています。 一時期、ブームになったラクトフェリンもその一端です。 私の仕事の中心で言えば、抜けた発達をどう育て直していくか、遅れた発達をどのように後押ししていけばよいか、になります。 しかし私の神経発達症に関する立場は、各家庭、各個人の話ではなく、社会問題であるというものです。 栄養療法だって、元を辿れば、お母さんの栄養、体調、身体、内臓の話になります。 不妊症が増えているのも事実で、それは父親である男性の生活全般の問題も多いといえます。 でも最初から赤ちゃんへの影響を知っていれば、多くの親御さん達は避けていたはずですし、知っていれば避けられたことも多くあります。 つまり、「知らされていない」ことが問題なのです。 大部分の親御さん達は、我が子に発達の遅れがあって初めて発達障害について知り、考え

【No.1250】新刊『ポストコロナの発達援助論』に込めたメッセージ

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つい先日も大きな地震が起きたように、いつ自分の住む場所で自然災害が起きても不思議ではありません。 ですから日頃から食料の備蓄は心掛けていましたが、どうもコロナの次は食糧危機が仕掛けられるそうです。 既に食料の輸出を制限している国、昨年末くらいから備蓄を始めている国があって、欧米では小麦、砂糖、食塩などの値段が上がっています。 その背景にはグローバル企業がそういった食料の買い占めを行っていることがあり、小麦を始まりとして大豆などの穀物、そこからの畜産物に影響が出てくるでしょう。 過去の人類の歴史を見ても、流行病↔戦争↔食糧危機がトライアングルのようにして連動し起っていますので、各家庭での食料備蓄が今後一段と大事になってくると思っています。 我が家ではお米は10キロ×2~3常備していて、妻がパンを作るので、昨日も5キロ程の小麦を買ってきました(優しい旦那☆) 2020年にコロナ騒動が始まり、それ以降、なぜか世界中が同じ動きをしていました。 どう考えてもおかしいと思いませんか? それでいてなぜか、同じ2022年3月のタイミングで、欧米諸国が規制撤廃をしました。 これだけ多くの人がいる地球で、こんなにも足並みそろって世界が動く、それも欧米が先導するかのように。 今後、コロナ以上の致死率のウィルスが流行したとき、同じような規制やロックダウンができるという既成事実が作られてしまいました。 言論の自由が憲法で保障されている日本であったとしても、YouTubeやFB、Googleなどではワクチンに否定的な意見は次々と消されていますし、ウクライナ侵攻で言えば、ロシアを擁護するような投稿にも制限がかかる始末です。 中には、私達が選挙で選んだ国会議員の投稿まで消さることがありました。 つまり、国会議員も、憲法も、超えたのが私企業、グローバル企業なのです。 大陸の歴史と文化、彼らの根底に流れる優生思想が理解できない私達は、「そんな悪い人はいないはずだ」という想いで生きているといえます。 ですから今回のコロナ騒動のように、今後起きる食糧危機がやってきたとしても、ひたすら耐え、真面目につつましく生きていくのだと思います。 コロナで外食産業は大きなダメージを受けました。 さらに食糧危機がくれば、多くの飲食店は潰れていくでしょう。 そしてその飲食店は、学生や若者の学費や生活費を得る場でしたので、大

【No.1249】エビデンスに踊らされる日本

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「エビデンス」というのも立派な横文字で、輸入された言葉であり、概念だといえます。 ですから、その言葉の成り立ち、どのような意味があるのか、わからないまま、使っている人が多数である印象です。 なんだか、自分が主張したいことが先にあって、それを補完してくれる研究、結果を見つけては「エビデンス」と言っているような気がします。 そもそも輸入元では、その治療、薬、療法が適切かどうか、もっといえば、そこに保険金を出すかどうかの判断として「エビデンス」が使われているわけで、日本のように国民皆保険で一度保険適応が認められれば、風邪に抗生剤も出せるわけですから(笑)、「エビデンス」なんて偉そうに言う必要はないと思います。 「エビデンスがある」といっても、たとえばマスクに予防効果があるというエビデンスもあれば、有意な予防効果はないというエビデンスもあります。 2019年までは、2020年の2月までは東京都医師会だって「マスクに予防効果はありません。咳などの症状のある人がつけてください」と言っていたわけで、エビデンスなんて固定化された万全なものではありません。 時代とともに新たな知見、研究結果が出るわけで、またどんな科学雑誌に、どんな研究が審査を通過し認められるかなども、最終的には人間が行っていることですから、そこに組織の論理や心情、お金が入る余地があるといえます。 エビデンスという言葉が専門家以外の一般人まで浸透してきて、日本人はますます思考停止に陥っているといえます。 「マスクは予防効果がある」というから自分はマスクをつける。 「ワクチンに予防効果がある」というから自分はワクチンを接種する。 「飲食店が危険」というから自分は飲食店を避ける。 そこに自分はマスクをつけることで、どのような感情、心身の変化が生じるのか、もっといえば、どうやって今日一日を生きるか、自分の健康や自由を守っていくか、そこがぽっかり抜け落ちてしまったような気がします。 大の大人が外でマスクをつけて歩いている姿を見ると、まるで生きた屍が歩いているようです。 彼らに人間としての活力を感じません。 エビデンスという言葉が浸透するまで、欧米の何でも数値化してしまう文化が入ってくるまで、日本の価値基準はより自然なもので、もっと尊いものだったと思います。 自然が豊かで、四季のある土地に住み続けてきた日本人。 同時に、常に自然

【No.1248】横文字の支援者、日本語の支援者

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「濃厚接触」って英語でなんていうのでしょうかね。 それこそ、「Deep state」でしょうか(笑) たぶん、こんなことを言っているのも、実際にやっているのも日本くらいでしょうから「Noukousessyoku」だと思います。 世界では既にコロナモードから戦争モード、そして食糧危機でのコントロールへ向かっているのに、日本はいつまでマスクをして、濃厚接触者なる作られた言葉に振り回されているのでしょうか。 PCRだって義務化されていないのに、職場や学校などで一人陽性者が出ると、心配になって自らPCRを受けたりする。 そして空気中にも漂っているくらいのウィルスですから、症状がなくてもたまたま鼻の粘膜にいたやつがキャッチされ、無症状感染の出来上がり。 無症状感染者の同居者は濃厚接触者になるので、これまたPCRする人もいるでしょうし、しなかったとしても同じように隔離されてしまいます。 まさに芋づる式にコロナ感染者は作られていき、社会も、経済も、個人の人生もボロボロ。 だから症状がない人はPCRを受けない、拒否する。 大人たちが率先してマスクを外していく。 3回目の接種が人口の50%を超えた国から感染爆発、第七波に突入しているので、もういい加減、接種をやめる。 そうやって一人ひとりが行動しなければ、いつまで経っても終わらないし、大切な人生の時間が奪われていくだけ。 子どもにとっては神経発達に大事な時間。 若者たちにとっては自我を育て、どうやって生きていくかを考える大事な時間。 高齢者だって残りの人生を考えれば、貴重な時間だったと思います。 コロナに罹らないことだけを優先させた結果、家族との時間、友人との交流、旅行などの老後の楽しみを失ってしまったのですから。 占領軍が日本の言論活動を検閲によって支配しようとしていたとき、その言語の複雑さに困惑し、苦慮したという話があります。 確かに日本語は同じものを表現するのにも様々な言葉がありますし、微妙な心情や自然の様子、移り変わりなど、曖昧で繊細な言葉も数え切れないくらいあります。 同じ日本人の私が当時の人たちの文章、言葉を見ても、その意味と表現の多様さ、複雑さを感じるのですから、書籍を1冊検閲しようとしても、相当な苦労があったと思います。 そのため、多くの日系人、日本人が検閲に従事したと言われていますが、その日本人が日本語を英語に翻訳し

【No.1247】集団だからこその学び合い

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教室で陽性になった子が出たようで、でも、濃厚接触者はいないという判定が出たのに、なぜか家でオンライン授業を受けている息子。 まだ小学生だからかもしれませんが、お遊びにしか見えませんね。 双方向のやりとりは無く、ただ先生の授業を聞いて課題をこなしている。 これだったら録画した動画で良いのでは。 これだったら全国で一番上手な先生の授業を録画して、それを見て勉強すれば良いのでは。 なんなら民間のように学習用のアプリで各自勉強した方がよっぽど身につくと思います。 知識の伝達という観点から公教育を見れば、すでにその役割は終わったのかもしれません。 本来、学ぶとは自分の人生を豊かにするため、将来の自立のために行うはずです。 しかし戦後GHQの介入により、二度と欧米に刃向かわないような、そしてコントロールしやすい国民、日本を作るために、一方的な知識の伝達が公教育の中心となりました。 伝統的な日本の教育とは、藩校や寺子屋で喧々諤々と先生や同士が議論し合いながら主体的な学び。 反実仮想を考えさせる薩摩藩の教育は有名ですし、とにかく自分の頭で考えることが学習の中心だったといえます。 まさにそれが明治以降の近代化、経済成長、技術革新の土台になったのだと思います。 まあ、だからこそ、アメリカ政府は日本と戦っている一方で、敗戦後の日本の教育をどのようにしていくか計画をたてていたのだと思います。 普通級か、支援級(支援学校)かを選択する際、「支援級は個別指導が受けられる」ということがおすすめポイントとして挙げられます。 療育の先生も、発達障害の専門医も、また学校の先生も、個別指導、1対1の指導が良いと言われます。 でも本当にそうなのでしょうか。 個別指導と聞くと、「その子のペースに合わせて」とか、「先生がその子だけを見て指導してもらえる」とか、「一斉指示では難しい分、1対1なら集中しやすい」とか連想されることが多いと思います。 確かに教室のような雑多で刺激の多い空間では、その刺激に負けてしまい授業に集中できない子もいるでしょう。 先生が目の前にいて、その子に注意を向けて指導してくれる方が理解しやすい子もいるはずです。 そうやって知的障害を持つ子や自閉症の子などは、個別指導が良いと私自身教わってきたことでもあります。 今までずっと個別指導に始まり、少人数がこの子達には良いのだ、良い環境だという認

【No.1246】口の課題からの連想

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「愛甲さんに質問する会」の録画を拝聴していると、やはり「口の発達」に課題を持たれている方が多い印象を受けました。 確か栗本さんとご一緒させていただいたZOOM講演会(2020)でも同様のご質問が多かった気がします。 コロナマスクからの口呼吸といった問題からも、口の発達には注目していて、近頃考えることがあったのでお話ししていきたいと思います。 この前も発達相談であるお宅に伺ったとき、子どもさんのおやつを食べている様子から気がついたことがありました。 それは「歯の前側を使っていない」ということです。 このご家庭だけではないのですが、どうもパクっと食べ物を口に入れたあと、奥歯を使って噛み、飲み込んでいる子が多い気がします。 「最近の子は固いものを食べない」と言われて久しいですが、噛む力の問題と同様に、歯の使い方の問題もあると思います。 1万年以上続いた縄文時代の私達の祖先は、野山で採集した木の実、川や海で採った魚・貝、狩りで採った獣や鳥を食べて生きていました。 当然、今のようにナイフで食物を切って食べやすくするなどはしていなくて、主に歯を使って噛み千切っていたと想像されます。 昭和のアニメのように、大きな肉をガブってかじりついていた感じですね。 そうやって1万年以上、いや、人類の歴史からいえば700万年以上、いいえ、もともとヒトも動物の進化の途上ですから、現在の食事が異質だといえるのです。 そんな風に連想していると、今の子ども達って噛み千切るってしませんよね。 とくに噛む力が弱くて、「固いものはあまり食べないんです」「すぐペッと出しちゃうんです」というご家庭は、無意識のうちに食べ物が小さくカットされ、より食べやすく、飲み込みやすい形態になっていきます。 そうすると、ますます前歯を使う機会がなくなり、パクっと口の中に入れて奥歯で噛み、ごっくんが繰り返され習慣化するのだと思います。 「奥歯で噛んで飲み込んでも良いじゃないか」というツッコミが入りそうですし、私もそう思いました。 でも実際にやってみるとわかるのですが、前歯を使わず奥歯で噛んで食べると、舌を使わなくなるんです。 逆に言うと、前歯で噛もうとすると、いやでも舌が動き、また舌と食べ物の接触が多くなります。 つまり、噛む力に問題が出るというよりも、この舌の使い方、発達に影響が出るのでは?と思うのです。 そう考えると、一言で

【No.1245】世の中で起きることのすべてが個人の幸せを考えるきっかけに

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世の中で生じることのほとんどは、白黒つけられないものばかり。 ですから、そこに一つの判断を下すということは、「もうそれ以上、考えるのやめた」なんだと思います。 これが自閉症の人に見られる白黒思考の原形ですね。 まあ、これは自閉症の人だけではなく、戦後の日本人の傾向であり、特性なのかもしれませんが。 氾濫している情報を整理して、一つの形を見せてくれることは、現代人にとってありがたい。 でも、それで多くのものを失っているようにも思えます。 ワクチン担当大臣に対して3回目の接種が進まないことへの批判が出ていますが、これはテレビがウクライナ報道に時間を割くようになったからだと思います。 ロシアの侵攻がなければ、今まで通り終始煽り報道を続けたでしょうし、それを見ている高齢者が、そして今は11歳以下の接種が始まったばかりですからキャンペーンを見た保護者が接種させていったでしょう。 (大臣交代論の出処は、野党ではなく、与党でもないところがミソ) この国の大人たちは思考停止に陥っていると言いますか、洗脳されているんですね。 ワクチン接種にしろ、ロシア侵攻にしろ、NHKから民放、もちろん、新聞各紙もすべて同じ論調、意見というのは異常であって(まさに全体主義)、本来、人々が考えるための情報を様々な角度、視点から提供するのが役割だと思います。 情報がなければ、人は考えることはできません。 もし今、ウクライナ国内で行われてきた虐殺や政権がどのような歴史を辿り、どのような援助を受けてできたのかを連日報道し続けたら、日本人の多くは「ウクライナが悪い」と言ったでしょう。 もしワクチン接種後、死亡した人のことを連日報道し続けたら、3回目の接種も、子ども達への接種も行われなかったと思います。 人間の思考パターンとして、最初に入ってきた情報を信じるということがあります。 また内容を問わず、同じ情報を受け取り続けると、意思に関係なくそれを信じてしまうということがあります。 まさにこの思考パターンを使って、日本人はコントロールされ続けてきた。 第二次世界大戦中、アメリカはすでに戦後の日本をどのようにコントロールしていくか、研究と計画が進められていました。 占領中の検閲、新聞ラジオを使ったプロパガンダ、戦後もNHKと日本テレビを使って、また今ではすべての放送局、新聞社が外資によってコントロールされています。

【No.1244】見えないものを感じる力、変化を厭わない性質

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発達相談の依頼の90%は女性で、そのほとんどがお母さんからです。 そして多くのお母さんがこんなことを言われます。 「このままでは我が子にもっと大変なことが起きるような気がする」と。 男性、父親からの相談は具体的な問題があり、その問題を解決する方法を知りたい、など「今」に焦点のあったものが多いといえます。 この違いは一言で「母性」と言ってしまえば、それで終わりなのかもしれませんが、赤ちゃんの泣き声、しぐさを見聞きしただけで、手に取るように子どもが何を訴えているかがわかるのは圧倒的に女性のほうなので、数値化はできない感覚的な違いがあるのかもしれませんね。 昨日の続きになりますが、発達障害のリスク因子に関しても、圧倒的に女性のほうが興味深く身を乗り出すくらいの勢いで話を聞いてくださいます。 一方で、男性、父親はというと、たとえ子育てに協力的で熱心な方だったとしても、あまり興味のなさそうな、中には「そんなはずはない」と怒りだすような人もいるわけです。 男は未来を予測する力が弱いのか、はたまた自分が責められているような気がするのか。 もちろん、それを聞いたお母さんの中にも悲しみ、後悔の気持ちを持たれる人もいらっしゃいます。 でも、我が子のこととなれば、パッと気持ちを切り替え、その瞬間から変化することができる。 フラれた女性を何年もグチグチと引きづるのが男性で、何年経っても元カノを思い出すのが男性で、別れた相手はスパッと切ることができる女性。 発達障害の子ども達は、学校の教室が追い付かないくらい増加の一途を辿っています。 医師が発達障害と診断をつけるハードルが下がったということも要因の一つとしてあるかもしれませんが、いまだに「診察、診断には1年待ち」という医院が多いので、医師がバンバン診断名をつけているというよりも、やはり発達障害の子ども自体が増えているのだと思います。 その一つの要因として、昨日のブログで書いたような農薬、食品添加物の2000年問題があり…、そういえば男性は自分で体感できないことは認められない傾向がありますね。 「私だってコンビニのごはん、インスタント食品食べているけれども、健康に影響はない」というお父さんがいて、子どもの身体と大人の身体の違い、そういったものが濃縮して精子や卵子から伝わるというのもよく分からないといった反応をされる人が少なくないです。 話を戻

【No.1243】なぜ、その子が発達障害になったのかはわからない

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5~11歳のワクチン接種が始まっています。 若者に多く見られた心筋炎や発熱等の副反応は、彼らの持つ強い免疫機能をこれまた強い薬で抑え込もうとするために生じている、とも言われています。 高齢者に若者のような強い副反応が出ないのは、そもそもの免疫機能が弱くなっているためとも考えられますね。 胸腺や扁桃腺などのリンパ系は、生後から7歳くらいで大人と同じレベルまで育ちますが、その後、12歳前後をピークに急激に発達し続け大人のレベルを超えます。 20歳ごろには大人と同じレベルに落ち着きますが、つまり、小学校1年生くらいから20歳くらいまでは免疫機能に関わるリンパ系の発達が盛んだということです。 特に小学校高学年から中学生年代は人生でもっとも免疫機能が強い時期。 ということは、接種による副反応が強く出てしまう世代とも推測できるのです。 そういえば、重大な副反応があった人の一覧で12~13歳が続いていましたね。 もちろん、すべてのこの年代の子ども達に接種後の副反応があるとは思いません。 人口の80%ほど接種したワクチンですが、ほとんどの人は入院するような副反応が生じていないのですから。 それは身体との相性なのでしょうか、それとも生活習慣、遺伝的ななにかが関係するのか、それは現時点ではわかりませんが、人とワクチンとの間の相互作用によって現れ方が異なるのだと思います。 ちょっと話は逸れますが、反応の違いはワクチンの管理状態の違いもあるのでは、と言っている専門家、医療関係者もいるようです。 確かにマイナス70℃管理って大変だと思いますし、宅急便のお兄さんたちがクーラーボックスで運んできたり、余った分は再び冷凍庫に入れて管理をしていたり。 輸送中の衝撃とか、再冷凍とか、大丈夫なんですかね。 まあ、期限切れの日付をペンで書き直して3回目を打っているので、心配ないか(笑) 発達相談において親御さんは、「まさか自分の子が発達障害になるとは…」とおっしゃる方が少なくありません。 それは自然な感情だと思います。 子どもを授かり、すくすくと育っていく我が子の姿を思い描き、出産、子育てを始めるのですから。 しかし、徐々に同年代の子との違いがはっきりしてきて、専門家より発達の遅れを指摘される。 発達の遅れは徐々に目立っていくものですので、「発達障害」と言われたあと、それまでの過去を振り返ります。 「あの

【No.1242】複数の感覚にまたがる過敏さ

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昨日、頂戴した ラジオへのお便り は、いろいろな感覚に不具合をお持ちの方からのご相談でした(ラジオ: てらっこ塾大久保の【発達援助のこころ】 も配信中)。 一昔前は、といっても10年くらいまでですが、自閉症、発達障害者の感覚過敏は特性の一つであり、治らないものとされていました。 もちろん、自閉症の中でも生物的な部分に支障をきたした状態で生まれてきた子は、なかなか治るものではないのですが、基本的には感覚過敏=感覚系の未発達がありますので、あとからでも育て直しができます。 そういった意味では感覚過敏は治ります。 ちなみに上記の「生物学的な部分に支障を…」という人達は、動物としての中核的な部分である呼吸や内臓の働き、本能的な食欲、睡眠等全般的に課題を持っていて「様々な感覚過敏がある」というよりも、生命体としての不具合だと考えられます。 こういった人達は強度行動障害と言われ、激しい自傷や睡眠障害、摂食障害を持っていますね。 感覚過敏は、たとえば聴覚過敏は耳の未発達であり、聴覚はまず前庭覚が育ったあとに本格的な「聴ける耳」になりますので、前庭覚から育て直していくと、聴覚過敏は治っていきます。 しかし、このように聴覚過敏や触覚過敏など、ピンポイントで過敏さを持っているのでしたら、そうやって背景にある未発達を育て直していけば良いのですが、中には聴覚過敏があり、触覚過敏があり、嗅覚過敏があり、味覚過敏が…というように、複数の感覚系、ほぼ全部の感覚系に過敏さ(または極度の鈍さ)を持っている人もいます。 そういった場合は、「じゃあ、一つずつ育て直していきましょうね」では治っていかないことがあるんですね。 ここは支援者でも間違っている人がいるので、気を付けなければならないポイントになります。 複数の感覚系にまたがる感覚過敏(または極度の鈍さ)は、感覚系よりも根っこ、つまり、受精卵に近い時期の不具合から来ていることが多くあります。 よく見られるのは、神経の課題ですね。 中枢神経と末梢神経の繋がりに課題があったり、自律神経に不具合があったり。 あとは胎児期の愛着障害やトラウマなども背景にあることがあります。 これは恐怖麻痺反射だったり、胎児期の愛着障害だったりして、胎児期のサバイバル術としての過敏さが、そのまま生まれたあとも継続している感じです。 胎児は母胎という膜の中で安心感に包まれます。

【No.1241】チャンネルに合わせた言葉づかい

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難しいことを難しく説明する人は専門家だったとしても、プロとは言えないでしょう。 プロとはお金を貰って仕事をする人であり、そのお金を払ってくれる方の視点に立って仕事、サービスを提供しなければなりません。 しかし一方で、だからと言って、その相手が簡単に理解できるレベルまで下げて伝えるのも違うと思っています。 特に私が対象としているのは親御さん達ですから、専門的な内容を噛み砕いてお伝えすることは大事ではありますが、親御さんがもう一歩前進できるような、できればご自身で考え、「ああ、子育てって楽しいな」と思ってくれるような言葉を選び、説明ができたらと考えています。 日々、メールでの相談をいただくのですが、その際も上記のようなことを思い描きながらお返事しているのですが、当事者の方からの相談も多くあります。 当事者の方の場合、今、困っていて、今を改善したい人が多いので、レベルアップしてもらう、考えるきっかけにしてもらう、というよりも、できるだけ脳に負荷をかけないような文章にしています。 でも、それは単にシンプルに書くということではないと思っています。 綴られている文章には、その人の頭の中が原寸大で表れているような印象を受けます。 文章が長く、細部が細かく書かれている人には、それが日頃の情報処理の形態だといえますので、なるべく曖昧な言葉は使わず、具体的に、ここは端折って良いなと思うところまで、詳しく文字にするようにしています。 他には、表面的な言葉が多い人は、内面や感覚が掴みきれていない場合が多いので、客観的な目で見てわかるような表現を使い、説明するようにしています。 細かいところで言えば、感情表現が豊かな人はなるべくオノパトペを使うようにし、文章がポツンポツンと脈絡がないような人には、ポイントを絞ってメール1通で伝える分量を小さくしてやりとりをするようにしています。 つまり、相手の文章、もっといえば、脳の情報処理、世の中の組み立て方に合わせたメールを書くようにしているのです。 私達支援者と言うのは、相手のことを思えば思うほど、容易で簡単な言葉を使おうとしてしまいます。 よく成人施設などで、利用者の方に赤ちゃん言葉を使っている支援者がいますが、まさにそれです。 そういった年齢にそぐわない、相手を低く見るような言動は、それ自体が失礼だということもありますが、相手のチャンネルに合ってい