2015年10月29日木曜日

正しい姿勢を「〇」「×」で教える!?

外出先で、「すぐに椅子や床に寝そべってしまって困ってます」というご依頼。
公共の場所での望ましい振る舞い方や、他人の迷惑になってしまうことを絵や文字で説明したり、良い姿勢と悪い姿勢を「〇」「×」つけたカードを作ったり、といろいろやったらしい。
それでも全然うまくいかずに、「私の支援が悪いんです」と親御さん。

その子に会ったら、一瞬で原因がわかった。
いくら構造化しても意味はない。
だって、その子、座位の姿勢が保てないんだもん。
背もたれのある椅子でも、すぐに姿勢がだらんとしてしまう。
だったら、よく公共の場所にある背もたれのない椅子なんか、座ってられないでしょうに。
特に身体面での発達の遅れもある子だったら、外出しただけで疲れちゃう。
だから、たくさん疲れるし、そもそも座位の姿勢が保てないんだから、椅子や床に寝そべってしまうのもよくわかる。
それを視覚的に見せたからってできるようになるわけないし、怒って寝そべるのをやめさせても、またすぐに元通り。

ちょっと自閉症支援をかじった人なら、絵や文字で視覚的に示せば、うまくいくと考えがち。
だから、視覚的に表してうまくいかなければ、その視覚化のやり方がわるいはずだと思ってしまう。
そもそも発達障害は、認知面だけの凸凹を言うのではない。
身体面での発達にも凹凸がある。
それなのに、なんでもかんでも構造化、視覚化。
いくら目に見えるようにしても、いくら正しいマナーが分かったとしても、望ましいように身体が動かせなければ、できっこない。

「発達障害は身体障害じゃないか」という方もいる。
私もその通りだと思うし、もっと身体面に注目して良いと思う。
以前、箸が正しく持てない子の指導で、正しい箸の持ち方の写真と悪い箸の持ち方の写真を見せるということをやっている学校があった。
落ち着いて考えて欲しい。
いくら正しい箸の持ち方が分かっても、その通りに手が動かせなかったら無理でしょ。
しかも、箸の持ち方は、実際に箸を持って練習するのが自然でしょうに。
その子は成長した今でも、正しい箸の持ち方、悪い箸の持ち方は知っているが、正しく箸が持てないまま。

食事の姿勢、勉強の姿勢が悪いと、注意したり、マナー講座をしたり、視覚化したりして指導する。
でも、そんなことしても知識が増えるだけで、実際にはできない。
だって、その姿勢ができないという理由が身体面にあるはずだから。
だったら、まずは姿勢が保てるような体幹、感覚面を発達させるトレーニングをすべき。
きちんと体幹、感覚面が育てば、望ましい姿勢になるはずです。
支援者も、頭でっかちになって頭だけ使うのではなく、身体ももっと使うべきだと思いますね。

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