2016年5月25日水曜日

指示待ちの子には「選択の学習」

ある保育士さんが「最近の子は、自分で動けない子が多いんです」という話をしていました。
自分で動けないってことは、指示待ちってことですね。
自閉っ子も指示待ちの子が多いのですが、その治し方は定型発達の子も一緒です。

自分の意思で動く、自分の判断で動くというのは、前段階として選択ができる必要があります。
例えば、食事の時間になったら、「遊び続ける」と「おもちゃを片づける」という選択肢からどちらかを選ぶんですね。
この選択肢が思い浮かばない子、適切な選択肢を選べない子、そもそも選択するスキルがない子は、食事の時間になっても本能のまま遊び続けます。
で、親御さんから「食事の時間よ」「片づけなさい」「手を洗いなさい」と指示をされて動きます。
これが外から見て「指示待ち人間」になっちゃうんです。

犬でも、猫でも、指示されたら動きますよね。
つまり、指示で動く段階って哺乳類の脳の段階。
で、自ら考え、自ら判断し、自ら行動するのって言ったら、人間の脳の段階です。
「最近の子は、自分で動けない子が多い」というのは、人間の脳の段階まできていない証拠です。
表現は良くないかもしれませんが、ペットのしつけと同じレベルと言えちゃいます。

「選択する」って高度な知性なんですね。
だから、選択できるようになるためには、学習が必要なんです。
幼いときから、「飴とチョコ、どっち食べる?」と訊かれて、自分で「チョコ」を選ぶ経験をしなきゃいけません。
最初は選択の意味がわからず、飴も、チョコも、取ろうとしたり、本当はチョコが食べたいのに飴を選んでしまってチョコが食べられなかった経験をしたり。
こんな経験、学習が選択というスキルを身に付けさせるのです。

簡単な選択ができるようになったら、複数の選択肢の中からの選択、状況判断からの選択というようにどんどん高度な選択ができるようにしていきます。
そして、その先に指示待ちではなく、自分の意思、判断で動ける子がいるのですね。
自分の意思、判断で動ける子というのは、選択のスキルを身につけ、人間の脳の発達が順調だとも言えます。

「最近の子は、自分で動けない子が多い」というのは、親に余裕がなくて、子どもに選択させる機会を持たせられていないことが関係していると思います。
仕事から帰ってきて、ご飯を作り、子どもを風呂に入れ、寝かしつける…なんていう毎日を送っていたら、どうしても指示が多くなるし、効率的に何事もしようとしちゃいますよね。
そうすると、子どもが選択する機会も、学習する機会も、ほとんどなくなってしまいます。
それで、選択のスキルがないもんだから、保育園、幼稚園や学校で指示待ちになりやすい。

よく指示待ち対策に「子どもが動くまで待ちましょう」「指示を減らしましょう」なんていう的外れなアドバイスをする人がいますが、ほとんどの子の場合、意味がありませんね。
だって、選択は人間の脳の部分で行うんです。
選択は学習です。
学習していない、人間の脳の部分が発達していない子の場合は、動くまで待っていたら、そのままずっと本能のままに行動しますよ。
食事前の遊びだったら、お腹が空いたという欲求が遊びたいという欲求に勝つまで、ずっと遊び続けます。
だから、指示待ちの子に対しては、選択の学習なんです。
人間の脳の部分を発達させることが重要なんですね。

定型発達の子どもでさえ指示待ちが多い、つまり、脳の発達に遅れが出ちゃってるんですね。
世の中、忙し過ぎて、家庭での教育が十分になされていないのかもしれません。
ご飯食べさせて、お風呂入れて、寝せるというのは、ペットの動物と同じレベルなんです。
きちんと人間の脳を育てる必要がありますね。
特に幼少期の家庭教育は、脳の発達に重要です。
近頃、増えてきたもともと定型発達なんだけど、発達に遅れが出て、発達障害の診断基準を満たしちゃう子っていうのも、現代病といえるかもしれないですね。
「人間の脳の部分が十分に発達でできていない」というのは、自閉っ子とも共通しちゃってますから。

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