2015年8月25日火曜日

センスが問われる仕事

この業界、なかなか人が育たないのは、センスのウエイトが大きいからだと思っている。
センスをもう少し自分なりに噛み砕くと、嗅覚のような動物的感覚に近い。

日進月歩である自閉症研究から次々と知識を得ようとも、たくさんある療法を習得しようとも、目の前の人に対して最適な支援に作り変えていく必要がある。
脳の凸凹は一人ひとり異なるし、成長によって様相も日々、変わっていく。
いくら細かく、何時間もかけてアセスメントしたとしても、それはそのときを切り取ったに過ぎない。
だから、支援者には紙面以上のことを嗅ぎ分けるセンスが必要になってくる。

自閉症の人たちが悩んだり、困ったりしていることの背景には、誤学習&未学習が隠れていることが圧倒的に多い。
独特な視点で世の中を切り取っていることがあったり、「当然、身に付けているはず」と思われるようなところが、スポッと抜け落ちていることがある。
こういった誤学習&未学習は、本人自身も気が付かず、また「当然」と思っていることが多いので、言動から探偵のように読み解いたり、スピリチュアルカウンセラーのように過去、現在、未来からイメージを広げたりしなくてはならない。

肩書や経歴、トレーニングや勉強をたくさんしている人が、素晴らしい支援ができるとは限らない。
いくら優れた知識と技能を持とうとも、目の前の人から読み取れなければ適切な支援は行えないし、その人に合わせて作り変えることができなければ、ただの乱暴者になる。
どんな療法も、どんな知識も、「多くの自閉症の人に有効」というだけであって、目の前の人に合うかどうかはわからない。
だから、技能や知識を活かすためには、センスが重要になってくる。

全国的に見ても、ちらほら若手が出てきているようだが、相変わらずメインの顔ぶれは変わらない。
やっぱり知識や技能は教えられても、センスは教えられないからだろう。
まあ、有名な支援者の中にも実践は「からっきしダメ」という人も少なくないが。

時々、自閉症支援はクリエイティブな仕事ではないか、と感じることがある。
最適な支援を様々な知識、技能、療法から結集させて創造する。
そして、その人の今と未来をより良いものへと創造していく。
こういった創造することが支援には求められるから。
これも所謂、1つのセンス。

私は直感を大事にする支援者だと思う。
その人と対面したときに感じるものを大事にする支援を行っていこうと思っている。
だから、私は個別指導の形態にこだわっているのかもしれない。
直感で導き出した支援の方向性をより確実なものにするために、今までのトレーニング、知識、経験を引っ張ってくるというイメージが私自身の捉え方。

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