2020年5月3日日曜日

【No.1058】今まさに我が子の発達が心配になっている親御さんへ

このブログを読んでいる方の中には、我が子が「自閉症かも」「発達に遅れがあるかも」「なんか他の子とは違う感じがする」といった想いを持つ人がいることでしょう。
そういった人達に向けてメッセージを送りたいと思います。


多くの親御さんはスマホを操作し『目が合わない 自閉症』『言葉が出ない 発達障害』などといった気になるワードを検索画面に入力したと思います。
その結果はすさまじい数のサイトがヒットしたはずです。
専門家やその組織が発信しているもの、先輩ママ達が書いたブログなどが上位に並んでいて、それを喰いいるように読まれたことでしょう。
そして皆さんはどんな想いが湧いてきましたか?


読んでいてどんどん暗い気持ちになっていった人、将来に対する不安が増してきた人、こうしちゃおれないとすぐに公的な機関へアクセスした人が多いのではないでしょうか。
どのサイトも、「受け入れることが大事」といったメッセージが込められています。
しかし、ちょっと待ってください。
知らず知らずのうちに、既に我が子が「自閉症である」「発達障害がある」といった考えで進んでいないでしょうか。
本当に、あなたのお子さんは自閉症?発達障害?


中には1歳、2歳、3歳などという低年齢で既に診断を受けた子もいます。
でも診断の際、脳画像を撮りましたか?採血しましたか?家庭での様子と成育歴をしっかり確認し結論が出されましたか?
現在の医療・科学では、自閉症や発達障害を生物学的に診断できません。
他の病気や障害のように、脳画像や血液の数値ではわからないのです。
ではどうしているかといえば、「こういった症状や行動が見られる」という具合に文章で書かれた診断基準というものがあり、それに当てはまるか、そこに記載されている行動があったかで診断がされます。
ですから、医師の問診と成育歴の確認、診断室での様子によって診断名が決まっていくのです。


「医師が診断したことだから」「専門家が言うことだから」と考えられる人とはここでお別れです。
ほとんど目新しい情報を提供できずに申し訳ございません。
もし我が子が本当に自閉症だろうかと疑っている方、診断を受けたけれども気持ちがモヤッとしたままの方がいらっしゃいましたら読み進めてみてください。


自閉症や発達障害は『脳の機能障害』と言われている時期が過去にはありました。
しかしながらそんな時代であったとしても、誰一人、脳の機能障害を確認した人はいなかったのです。
「脳の機能障害である」と言うわりに、今と同様、脳画像にそれが共通の問題として明確に現れ、証明できていたわけではなかったためです。
「自閉症の人達は、脳になんらかの不具合がある」といった段階から現在は「神経の発達に不具合」という段階へと認識が変わりました。
自閉症の症状、発達障害の現れ方は一人ひとり全く異なるということは、脳のある部位に共通して問題があるというよりも、神経の発達の仕方・つながり方が影響としていると考えるほうが妥当だといえます。
脳以上に、一人ひとりの莫大な数の神経を見ていくことは難しいでしょうし、いまこの瞬間も休むことなく変化し続ける神経をすべて捉えることは不可能だと思います。


特に年端もいかない子どもさんの親御さんは、その診断名を疑うことから始めたほうが良いと思います。
スマホの検索画面に「自閉症 耳ふさぎ」などを入力すると、自閉症で耳ふさぎをする子の情報が目の前に現れてきます。
でも「自閉症で耳ふさぎをする」のと、「自閉症"だから"耳ふさぎをする」というのは違います。
定型発達の子でも、幼い時期なら特に耳ふさぎをする子は当たり前にいます。
何故なら幼い子はみんな発達の途中であり、未発達の部分を多く持っているから。
耳ふさぎは聴覚や前庭覚などが育っていないときに見られる行動です。
また遊びで耳ふさぎをする子もたくさんいます。
耳ふさぎは異常行動ではありません。


このように大事なことは「何故、その行動をするのか?」です。
その瞬間、子どもの発達過程のひと時を切りぬいて「これが異常だ」「これが正常だ」という判断はできませんし、それ自体あまり意味のないことです。
その状態や様子、行動や症状がいつまで経っても変化していかないときに初めて「障害」という言葉と概念が使われるのだといえます。


そもそも「障害」とは何でしょうか?
現在も障害を数値化して表すことはできません。
画像のように客観的な事実として確認することはできません。
じゃあ、「障害」とは医師や専門家が決めるかどうかだといえるのでしょうか。
それは違うと私は思います。


発達相談で多くの子どもさん達と関わってきましたが、困っているように見えない子が少なくありません。
健診で、専門機関で自閉症や発達障害を指摘されたと言われる親御さん達。
確かに、その時点でなんらかの課題や遅れはあるでしょう。
でも、子ども達が困っているわけではない。
同年齢の子ども達と同じように発達は前に前にと進んでおり、家族との生活、その子の遊びを楽しんでいる様子が見られる。
それのどこが問題なのでしょうか?問題があるといえるのでしょうか?


「このままいくと、将来困るよ」という専門家の忠告は、全国どこでも行われています。
でも専門家は未来を視る占い師でも、霊能力者でもありません。
第一、神経発達に課題があるというその課題すら見ることができていないのです。
現状の課題を確認できていない人に、その子の1年後、5年後、10年後がわかるのでしょうか。
その子が今後、どのような神経発達を遂げていくかは、どのような環境で、どのような刺激や体験をしていくかで変わってきます。
そのすべてが予測できるとしたら、その人の言う「将来困るよ」はその通りになるでしょう。


親としたら、子の未来・将来を心配するのは当たり前です。
しかし生まれて数年しか経っていない子の未来など、その後の子育て、環境、人との出会いによっていくらでも変わってきます。
たった数年で、子どもの未来が決まるわけはないのです。
ですから、その「障害」というものをいろんな角度から疑いましょう。
そして目の前の子の未来がより良いものとなるように、今日一日を大切に頑張っていけばいいのだと思います。
親だって、子の年齢と同じだけしか親になっていません。
だから一緒に子も、親も育っていけば良いのです。
完璧な子育てを目指すよりも、子と自分の成長、未来を否定しないことが大事だといえます。


子どもの声を聞いて、今困っていることがあれば、それに対処していく。
こういった後押しをすれば、この子はより良く育っていくと感じる方向へ進んでいく。
その積み重ねが未来を変えていきます。
また中には、そのような考えと方向で進んでいたとしても、子どもの成長が滞ったまま、課題が解決しないまま、困ったが続いたままの家庭もあるでしょう。
そういったときに初めて「障害」という概念で捉えたり、支援を求めたりすることが大事になってくると思います。
もちろん、子どもが感じている今の「困った」に対処するために支援を求めるのは悪いことではありません。
未来を変えるための支援なら、利用するほうが良い場合もあります。


最初は「自閉症かも」と心配になった耳ふさぎが、成長と共に見られなくなりました。
そんなことをネット上にわざわざ投稿する人は少ないでしょう。
わざわざ発信しないから検索画面になかなか出てこない。
大なり小なり、どの親御さんも我が子の成長に心配を持っていて、でもそれが消えていけば、自然と気にしていたことを忘れてしまうものです。
今、発達に課題があるのなら、忘れてしまうくらい成長すれば良いわけですし、今、我が子に困っていることがあれば、それが解決できれば良いわけです。
診断も、個人的な「発達障害かも」という心配事も入り口であって、進む方向は子のより良い成長とその後押し、ゴールは子の自立と幸せになります。
入り口の扉を開けたら一本道が続いていると思うのは勘違いです。
そもそも入り口に書かれた「障害者」という文字すら確認できていない怪しいものですから。


困った状態を困ったままにしておくから、本当に困っている人になってしまう。
発達・成長を滞らせているままにしておくから、本当に発達に遅れがある人になってしまう。
将来、その子がどんな発達を遂げるかなんて、誰にもわかりません。
わからないからこそ、今、我が子が何を求めているかに親が全身を傾け、そこを後押ししていく。
大事なことは止まりながらも発達、成長を進めていくことであって、子の未来を早々と決めてしまうことではありません。
それは発達障害云々に関わらず、どの子も、どの親もやることは同じです。
積み重ねた先に未来がある。




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