2013年11月19日火曜日

道徳教育と自閉症の子どもたち

道徳が教科に格上げされると、「自閉症の子どもたちは大変だろうな」と危惧しています。
それは授業についていけないからという理由ではありません。
むしろ他人の行動を客観的に分析することは得意ですし、どんな行動が望ましいか、または望ましくないかなど、よく知っている自閉症の子どもも多くいます。
点数化されて評価されるなら、良い成績を取る子も多いと思います。
私が危惧している部分は、学校で教えられる"規範"にこだわりすぎないか、という点です。

先生から教わったり、文字になって教わったりすることは、自閉症の子どもたちの頭の中には強く残ります。
物事を白か、黒かではっきり区別する傾向や例外を想像することが苦手な特性を持つ自閉症の子どもたち。
きっと学校で教わった規範をきちんと守ろうとするはずです。
しかし、現実の社会では例外や守らない人、状況があります。
また自分自身、教わった規範通りに行動できないこともあります。
このようなとき、自閉症の子どもたちは混乱したり、苦しんだりするかもしれません。

他人が学校で教わった規範から外れた行動をとってしまった場合、その人のことを許せなかったり、実際に叱責してしまうかもしれません。
自分自身が規範から外れた行動をとってしまった場合、「自分は守れないダメな人間だ」と自己嫌悪や罪の意識に苛まれてしまうかもしれません。

本来、ルールや基準を守ることは自閉症の人たちにとって得意なことであります。
ですから望ましいルールや正しい基準を教えることは、自閉症の人たちの学び方に合っていますし、生きていく上で必要な適応力をつけていくのに効果的だと言えます。
(*教わっていないことは、自分なりのルーティンを築いてしまうことがあるので、その前に望ましい行動や考え方を伝えるといった点でも有効)
しかし、特に自分以外の人と関係するルールや基準は、必ずしも決まった通りにならないことがありますので、きちんと例外や状況によっては基準通りにならないことも教える必要があります。

道徳が教科になることによって、望ましい規範を多く学べることは良いと思いますが、今まで以上に自閉症の子どもたちが規範にこだわり過ぎて疲れたり、辛い思いをしたりしないか、心配しています。

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