2013年9月25日水曜日

手が抜けないことが悩みです

"手を抜けないこと"が悩み、とお話をいただくことがあります。
何事も真面目に捉えてしまうため、何気ない会話にも全力で応え、勉強や仕事などすべてに全力投球してしまう。
「悩みというより、良いことじゃない!」「うちの子と比べてうらやましい」などと感じてしまいそうですが、実際は困ったことがあります。

想像してみてください。
もし、朝起きてから夜寝るまでのすべての出来事に全力を使っていたら、頭も体も疲れてしまって仕方がありません。
朝起きて、歯を磨くのも全力。
ご飯を食べるのも全力。
ご飯中の何気ない会話にも全力。
登校、出勤の道のりも全力・・・。
このような力の使い方をしていると、学校や職場に着いた頃には、もうヘトヘトです。
自閉症の人たちは、やらなくてはいけないことは真面目に取り組みますので、学校や職場でも一生懸命勉強をしたり、働いたりします。
そして、一日が終わって帰宅すると、とてつもない心身の疲労が・・・。

「何事にも一生懸命全力で取り組むことは良いことだ」という意見もあります。
しかし、それでは学校も仕事も日々の生活自体も続けていくことができません。
また、当面何とか日々の生活を続けることができても、いつかその"無理"が形を変えて表れてきます。

私たちは力の加減ができるから、日々の生活を安定して送ることができます。
仕事や家事も、集中してやるところと手を抜くところがあるから、続けていくことができるのです。
自閉症の人たちの目から見ると、「定型発達の人たちは"手を抜く能力"を持っている」と言えると思います。

では、上手に"手が抜けない"自閉症の人たちはどうすれば良いのでしょうか?
それは、意図的に「休息」を日課の中に入れることだと思います。
日々の生活の中に、学校や仕事で過ごす時間に「休息」を入れます。
「休息」は、個人に合った内容と環境の上に成り立ちます。
自分で日課の管理ができない自閉症の人に対しても、支援者が「休息」を意識して日課の中に入れることが大切だと思います。

自閉症の人たちが何事にも"手を抜かないこと"は、私たちが見習うべき素晴らしい能力だと思います。
"手を抜けないこと"自体が問題なのではありません。
"手を抜けなく"ても大丈夫な状況にないことが問題だと思います。
その自閉症の人たちの持つ素晴らしい能力を存分に発揮できるような日課や環境を調整することが大切だと考えています。

自閉症のままで生きられる地域・社会を目指す『てらっこ塾』

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