2018年5月28日月曜日

関わるほど、負担の増える支援者という存在

私が理想とする仕事は、1回のセッションで終わる仕事です。
私は本人の発達の課題を確認し、その育て方、目の付け方を本人や家族にお伝えする。
以降は、自分たちで試行錯誤しながら発達、成長していく。
何かまた疑問に思うことがあれば、メール等でやりとり。
実際に関わるのは、一度きり、というのが理想です。
その一度の仕事の中に、課題の根っこを的確に見抜き、その人の発達の流れを掴み、そして本人や家族に発達援助の視点を伝授する、そんな力を持ち併せてるかが問われます。


支援回数が増えて喜ぶのは、支援者くらいなものです。
どうして自分の友達でもなければ、家族でもない他人と何度も会わなければならないのでしょうか。
子どもだったらなおのこと、自分が頼んだわけでもない他人と何度も会いたいとは思わないはず。
しかも、その他人が自分の発達のヌケや遅れを育てなおしてくれるわけでもなく、自分の苦しみをとるラクにしてくれるわけでもなく、ただその人がやりたい対処療法をやる、しかもその対処療法は一生受け続けなければならない。
私だったらストレス以外のなにものでもありません。
子どもだって、自分の意思があり、自分の時間をどう使うか選択する権利があると思います。
だからこそ、私は子どもさんの発達援助に関わるときは、本人の意思を尊重し、必要以上に関わりません。
一番大事なことは、ご家族が主体となり、発達援助が行えるように導くことであり、私がやらなくても、家族ができたらそれでいい、と思っています。


家族にとっても、支援者との関わりはストレスだといえます。
自分たちでできるのなら、敢えて支援者に頼ろうと思う人などいないはずです。
ですから、できないと思っているから、必要だと思っているから関わるのであって、自ら進んで関わりを持とうと思っているのではありません。
ここは支援者が勘違いしているところだと思います。


また親御さん達とお話しすると、支援者の言葉によって、更なる混乱を招いているということがあります。
支援者というのは、自分のやりたい支援、信仰している支援、派閥に属している支援がありますから、その支援がナンバーワンであり、オンリーワンであるかのごとく、押し売りしてくるものです。
いろんな支援者が、支援者の数だけ、自分の支援を売りこんでくる。
しかも、その支援のほとんどは、最初から「治る」を除外し、一生涯利用することを前提としてやってくる。


だから、親御さんというのは、情報過多になり、言っていることも人によって違うから、どれを選んで良いのか、どれが必要な情報で、どれが不必要な情報かが見えなくなりやすい。
ただでも、初めて出会った『発達障害』というものに不安を感じ、混乱しているのに、支援者が輪をかけて混乱させてくる。
本来、支援者なんだから、親御さんのこともラクにしないといけなはいはずです。
それなのに、自分の支援を売ることばかり考えて、親御さんの気持ちをないがしろにしている場合もあります。


中には、親御さんが悩み、苦しむのが当然だと思っているような支援者もいて、最初から眼中にないような態度をとる人もいます。
検査や療育に大金を吹っかけてくる支援者。
一度で終わるのを何度も来させて本人も、家族も疲弊させる支援者。
「いや、うちには他にも家族がいて…」というのに、障害を持った本人を中心にすべて家庭も、生活も、人生も回せ、という支援者。
自分たちの仕事を親の会に振ったり、参加者のいない講演会にサクラとして動員させたりするのも、そういった考えの表れでしょう。


好きでもない他人の支援を受け続ける。
これのどこが、本人、家族の幸せにつながるというのでしょう。
重い障害があり、誰かの手助けを借りないと生活が成り立たない人もいます。
しかし、これは支援ではなく、介護であり、その介護だって、常にたくさん受けたいと思っているわけではありません。
施設で関わってきた子ども達も、みなさん、大変な困難を持っていましたが、私達支援者の手を常時借りたいとは思っていませんでした。
彼らは彼らなりに、自分一人でできること、他人の手を借りずに行えることをやろうとしていましたし、それが達成できたときの心身の安定は違いました。
彼らは手助けを受けなければならない場面の方が、不安定になっていたのです。
多くの困難を持っている人ほど、シンプルな関わりを求めていたように感じます。


私は常に、「私と関わるよりも、もっと関わりたい人間が、この子にはいるはず」と思って接しています。
それは家族であり、友人たち。
それにできることなら、同世代の子ども達と同じように、習い事や趣味での人たちとの交流を持ちたいはずだと思っています。
だからこそ、できるだけ私との関わりは必要最小限になるよう心掛けています。
いま、定期的に関わっている子ども達も、目標は地域の塾や家庭教師、習い事を利用できることです。


親御さんにとっても、私はできるだけ負担にならないように、ラクになるように、と心掛けています。
できるだけセッションの回数は減らし、料金的な負担を減らします。
敢えて回数を増やそうとするのは、詐欺だと思うようにしています。
何故なら、不安や混乱している親御さんには、誘導されやすい要素があるからです。
実際、私がさらに不安を煽るようなことを言ったら、利用回数が増やせる、と思った親御さんもたくさんいます。
また「いくらでもお金は出します」というような親御さんもいます。
しかし、ここで私が弱みに付け込むようなことをしてしまったら、起業した意味がなくなってしまいます。
私が起業した目的は、『一生涯の支援』の否定であり、本当の意味で一人でも多くの人に自立し、社会の中で自分の資質を活かし、生きていってもらうことです。
私が、そのご家庭のお金も、時間も、労力も、そして将来の可能性も搾取するのなら、一番望んでいなかった姿になってしまいます。


支援者との関係性は、親御さんにとっても不自然なものです。
自然な気持ちの発露ではなく、必要に迫られてからの縁だからです。
だからこそ、支援者は親御さんにラクになってもらわないといけないと思います。
支援者と関わったことで、子育ての方向性が見え、頭の中が整理されていく。
子育ての悩みは、ずっと続くものですが、悩みつつも、自分で解決し、歩んでいけるようになる。
「我が子のためなら、なんでもやりたい」という自然な親心、エネルギーを、「頑張らせてはならない」「あなたは障害受容ができていない」などと言って抑え付けるのではなく、伸び伸びと解放され、それを活かしていけるようにする。
こんな風に、親御さんがラクになる存在にならないといけないのだと思います。
支援者が、親御さんを混乱させ、さらに悩ませる存在にはなってはならないのです。


支援者は、本人の発達のヌケや遅れを育て直し、よりラクに生きていけること、その人の持つ可能性を広げる存在にならなければなりません。
そのためには、おのれの腕を磨き、日々、自己研鑽を積んでいく必要がある。
そして一回の支援が最後の支援になり、本人と家族の中に溶け込むような後押しを行う。


「継続利用が必要です」と言われたら、それは「3ヶ月飲み続けたら効果が出ます」という通信販売のサプリメントみたいなものです。
3ヶ月購入してもらったら十分利益がとれる、という意味。
その人の健康を第一に考えたものではありません。
まだサプリなら腹の足しになりますが、支援者は食うことができません。
むしろ金食い虫になることも。
子どもを養っているはずが、いつの間にか支援者を養っているなんてことがないようお気を付けくださいませ。

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