2018年5月10日木曜日

同世代の子と比べるのは、いけないこと!?

あれは何なんでしょうね。
「我が子に発達の遅れがあるかも」と思い、相談にきた親御さんに対して、支援者たちが言うセリフ。


「〇〇ちゃんは、のんびりやさんの性格かもしれませんね」「子どもの成長は一人ひとり違うから、焦らないでね」というどうにか個性の範疇にねじ込もうとする系の発言。
「愛情をたっぷり与えて育てていけば大丈夫」「まだ何かが言える段階じゃないから、様子を見ましょう」という良いこと言っていそうだけれども、結局、相談に来る前と何も変わってないよね、いや、むしろ来ただけ疲れるし、余計モヤモヤするよ系の発言。
「他人の子と比べるのはよくありませんよ」「その子の良い面を見ていきましょう」という親の直感全否定で、かつ考え方を変えましょうという精神修行かって系の発言。


私は、親御さんの直感ってとても鋭くて、そこら辺の支援者が太刀打ちできないくらい的を得ていると思っています。
確かに、支援者や専門家と比べて、知識やその状態を表す言葉は持ち合わせていないこともあるけれども、「うちの子、何か違う」「このままにしていたら、今後問題が大きくなる」というような直感というのは、親御さんの強みであり、活かすべき力だといえます。
それに真摯に耳を傾けなくて、何が“支援”者だと思います。


親御さんが、我が子に対する違和感を強めていくのは、同世代の子どもと比べたとき。
「あの子は、もうあんなことができるのに、うちの子はまだできない」
そういった積み重ねが、直感を確信に変えていきます。
そして確信から行動へと移っていく。
だから、他人の子と比べるのは悪いことではないと思います。


でも、なんだか特別支援の世界にはルールがあるのか、他人と比べることがタブーみたいになっています。
もちろん、その人間の価値などは比べられるものではないですし、比べるものでもありません。
比べるのは、同世代の子との発達です。
定型発達と比べると、どのくらい差があり、遅れているのかを観るのは、子どもの優劣を決めるわけでもなく、その子の発達を援助するには必要なことです。
ほとんどの親御さんは、我が子の優劣を見ているのではなく、他の子との発達の違いを見ています。
その理由は、子どもの課題にいち早く対処するためであり、子どもを守るため。


親御さんとお話をしていると、冒頭のような発言をされて、ネガティブな気持ちになった方が多いことがわかります。
発達の遅れを疑ったこと自体が、疑った自分自身が否定されたような気持ちになった。
発達の遅れがあるのも含めて我が子なのに、なんだか子ども自体が否定されたように感じた。
中には、こりゃあ、専門家は当てにならないと、自分で動かなきゃダメだと思った方もいました。


障害を受け入れられない、認めたくないという段階の親御さんに対しては、寄り添うことや心のケアも重要でしょう。
でも、親御さんによっては、「子どものために動きたい」とすでに向かっている方もいます。
そういった親御さんにとっては、支援者の優しい(?)言葉が却って傷つけることも、子育ての力を削ぐこともあります。
大事なことは、親御さんの直感を活かし、エネルギーを子どもさんの発達の後押しへと導くことだと思います。


枕詞のように「同級生と比べてはダメなんですけど…、うちの子は幼くて、〇〇ができなくて」と言われる親御さんがいます。
そういったとき、私は「比べることは悪いことではないですよ」と言っています。
だって、同世代の子達と比べるのが、発達の違いを知るきっかけですし、発達援助の始まりでもありますから。
それに親御さんがいの一番に訴える部分と言うのは、お子さんが感覚的に一番訴えてくる部分であり、いろんな課題につながっている大元の根っこという場合が多いですので。


「大人になると、そういった凸凹、違いは気にならなくなるから」という人もいますが、だからと言って、発達の遅れやヌケをそのままにしておいても良いということにはなりません。
第一、今、子どもの生活する場は、学校であり、同世代の子ども達との集団の中。
そういった中で経験し、刺激を受け、成長していくのですから、そして大人になっていくのですから、同世代の子の発達とズレている部分があれば、そこを補い、育てていくのは当然のことだと思います。
その方法を具体的に示せるのが専門性であり、支援者の役目。
ヘタな慰めならしない方がマシですし、そもそも親御さんに対して失礼なことだと思います。


心に寄り添い、慰めるのは、家族や大切な人達の間で行われるのが自然なことです。
お金を払って、税金を使って、形式的に慰めるのは不自然。
お金貰って仕事として支援している身なら、発達を促し、治す具体的な方法の一つや二つ、さっと出てこなければ、特にこれからの時代の支援者はダメだと思いますね。

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