相談の文面から伝わってくる美しさ

地元では人気のない私ですが(笑)、ほかの地域に住んでいる方から相談のメールや電話を頂くことがあります。
「ホームページを見て」ですとか、「ブログ、いつも読んでます」とか、そういったネットを通じて私のことを知ってくださった方達がほとんどです。
事業開始当初、「この地域で相談業務はやるんじゃね~」という横やりが入りましたので、表だって相談支援はしていませんが、ご縁があって連絡をくださった方達ですので、直接支援をしている方達と同じように全力で応えさせていただいています。
まあ、実際は「相談くらいでお金とるんじゃないよ」という想いがありますし、やはり直接関わること、そして本人にポジティブな変化が起きることが、この事業の中心ですので、それ以外でお金を頂くことは考えていませんでした。


相談にお応えしたあと、後日、「息子がこうなりました」「娘が成長しました」というような報告を頂くことがあります。
大変ありがたいことですし、日本のどこかに成長できた子どもさんと、それを喜ぶ親御さんがいることを感じられるので、うれしく思います。
それで、いつも「大久保さんのお蔭で」なんてことを言われますが、私にはそのような能力はないのです。


実は最近、ご相談のメール等がよく来るのです。
別に「迷惑だ」とか、「やめてほしい」とか言いたいわけではないんですね。
ただネタバレをしておいた方が良いのかな、って思って綴っているのです。


私が思うに、私に連絡をとった時点で、ほとんど課題は解決している、といえます。
何故なら、会ったこともない人間に、そして良く分からない怪しい事業をやっている人間に、飛び込みで直接連絡をとっているのです。
しかも、そのほとんどの内容が、大切な我が子に関することです。
知らない人に対する怖さ、不安と、少なからず相談することの恥ずかしさもあるのだと思います。
でも、それを乗り越えて、「我が子がより良くなるために」と、連絡をとる。
こういった強くてまっすぐな想いのある人のお子さんが、課題を乗り越えられないはずはないですし、成長できないはずもないのです。
ですから、私に相談したから、課題が解決したのではなく、親御さん自身が子どもさんの今と未来に真剣に向き合い、行動を起こしたから、課題が解決したのだと思います。


表現は適切ではないかもしれませんが、“しつこい”くらい連絡がくる方もいます。
でも、その“しつこさ”は嫌いじゃないですし、美しくも感じるときがあるのです。
だって、そうじゃないですか、しつこいというのは、それだけ我が子のことを想っているとも言えませんか。


「無料だから」「何か得られたら儲けもん」という卑しさや、「これ以上、訊くと迷惑になるかも」という遠慮は、電話口からも、メールの文面からも伝わってきます。
そして、それらは人間の部分がやっていること。
しかし、美しさを醸し出すしつこさの中には、もっと動物的な、野性的なヒトの姿を感じるのです。
「我が子を何が何でも自立させてみせる」
「我が子を何が何でも守ってみせる」
というような本能が突き動かしている姿が見えたとき、私の人間でない部分が共鳴するのだと思っています。


ブログの文面からもお分かりのように、迷惑なときは「迷惑」と言いますし、卑しさを感じる人からの相談はすぐに打ち切ります。
同じように失礼な人に対しても。
でも、そういった人はほとんどいなく、私も心から応じたいと思う方達ばかりです。
電話を掛けた時点で、メールを打って送信した時点で、子どもさんはすでに前へと歩き始めているはずです。


最後に、私がいつも「相談業務はインチキだ」という意味をお分かりいただけたでしょうか。
つまり、一部のカリスマを除いては、相談者の課題を解決するのは、相談機関の人間じゃないんですね。


相談機関の人間が、どんなアドバイスをしようとも、結果を大きく左右させることはありません。
他者からのアドバイスを聞いて、そのまま鵜呑みにして行動しちゃう人は、例えたまたまうまくいったとしても、すぐに別の課題にぶつかり、再び困ってしまいます。
そして、またアドバイスを貰いに…というような人は、そもそも課題を解決するのが無理な話。
反対に、他者からアドバイスを訊いても、自分の頭で考え、再構築し、良いエッセンスだけを抜き取れるような力を持つ人は、相談機関の人間云々に関わらず、課題を解決できます。
ですから、我が子の課題を解決するのも、より良い成長に繋げるのも、親御さん自身にかかっているのです。


時折、「相談業務やってます、エッヘン」「多くの相談者の課題を解決しています、エッヘン」という支援者がいますが、それは営業トークですし、ほとんどの相談機関の人間には占い程度の効果しかありません。
結局、占いと一緒で、相談者が何を得て、何を考え、どう行動するか、が未来を決めることなんです。

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