2016年10月17日月曜日

自閉脳を活かすために治します

自閉症は脳のタイプの1つ。
だから、受け入れるとか、受け入れないとかいう次元の話ではないと思っています。
それぞれの人、脳みそに合った学び方、情報処理の仕方、生活の仕方があるのだから、その方法を見つけ、カスタマイズしていき、どんどん成長し、発達し、幸せになっていけば良いだけの話。
「その人が持って生まれたものをどう磨き、どう活かしていくか」が支援の中核だと考えています。


「治す」という言葉を使うと、「自閉症は一生治りません!」「治す対象ではありません!」という言葉が返ってきます。
私も、同じ意見です。
そもそも脳のタイプを治すという意味が分かりませんし、治すのではなく、活かす対象だと私は考えています。
ですから、「治す」という言葉が指すものに違いがあるのだと想像します。


治す対象は、妨げているものです。
何を妨げているかと言いますと、その人が持つ資質を活かすのを、です。
いくら資質を活かそうとしても、自閉症の症状が重ければ、妨げになってしまいます。
ですから、症状が少しでも軽くなるように、身体を整えたり、発達を促したりします。
また自閉症の人に見られることが多いけれど、理由が“自閉脳だから”ではない睡眠の乱れや姿勢、運動の不具合があれば、それも治します。
もちろん、自閉脳ゆえの情報の取り違い&ヌケ、想像の違いから生じる誤認識、誤学習も治す対象ですし、問題行動も治さなければなりません。


資質を妨げるものを治しても、自閉脳はそのままです。
むしろ治した方が、自閉脳らしく、その人らしく生きられるはずです。
感覚過敏に苦しんでいる姿、変化にパニックになっている姿、コミュニケーションで困っている姿は、自閉脳を活かした姿だとはいえません。
「これこそ、自閉症の人の姿だ」と固定観念を持っていたり、自閉脳と症状を曖昧に捉えていたり、症状を軽減、改善する方法を知らなかったりするから、「治る」という言葉に拒絶反応を見せるのです。


個性という言葉はあまり好きではありませんが、その人の持つ脳の個性を活かすためにこそ、積極的に治していかなければならないのだと思います。
多くの人がイメージする『自閉症像』が重ならない姿こそ、自閉脳を一番活かしている姿だと思います。
「えっ、あなた自閉症だったの?」と周囲から驚かれたり、気づかれもしない状態というのは、まさに治ったといえる状態ではないでしょうか。


自閉症が治った状態と、自閉脳を活かした状態は両立すると思います。
自閉脳を活かすために、妨げになるような症状は治していく。
症状を治していくのは、定型脳、普通の人になるということではありません。
自閉脳のまま、その人らしく幸せになる方法なのです。

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