親御さんにとっても、待ち望んでいた夏休み

7月は扇風機の出番がないくらいの涼しさだったのですが、8月に入った途端、夏らしい夏になりました。
今日は函館でも30度越え。
九州人の私は、30度超えないと夏じゃないよねって感じです。
まだまだ余裕(笑)

函館の子ども達も、短い北海道の夏を楽しんでいるようで、外から元気な声が聞こえます。
夏休み真っ只中ですからね。
私が子どもの頃も、肌も、服も、真っ黒になりながら、外で遊んだ記憶があります。
あと夏休みといえば、思いだすのが母親がいつも言っていたこと。
「他の家では“早く夏休みが終わってくれれば”なんて言うけれど、私はそうは思わない」という言葉です。
私は外で遊んでもいましたが、母親が弟と一緒にあちこち連れていってくれた記憶があります。
今思い返せば、夏休みだからできる体験をさせてくれていたのでしょう。

どうしてこんなことを思いだしたかと言うと、高校生の息子さんを持つお母さんが「私が手をかけられるのは、後3年間しかないので」と言っていたからです。
息子さんは今春から地元を離れ、地方の高等部へと進学しました。
その息子さんが帰ってくる夏休みに、いろんな体験や学びをさせたいということで、一緒に方法や計画をあーだこーだ言いながら考えたのが先月の話です。
そのとき、上記の言葉が聞かれたのです。

息子さんには知的障害もあります。
ですから、小学生の頃から長い期間をかけて「高校を卒業したら働くこと」「高校を卒業したら家から出て、暮らすこと」を丁寧に伝えてきたのでした。
そして、とうとう自分が言っていた“そのとき”が3年後に迫ってきた。
また息子さん自身も、そのつもりで高校での勉強を頑張っている。
だからこそ、「夏休みの期間も、親としてできることを1日も無駄にしないようにしたいんです!」と言っていました。

この夏休みは、“一人での外出”に取り組むことにしました。
近いところから遠いところへ。
歩いていけるところから公共交通機関を使っていくところへ。
遊びメインの外出から、公共施設の利用や生活用品の買い物などに行く外出へ。
長らく問題行動があった男の子だったので、なかなか外での活動、特に単独行動は取り組めずにいたのでした。
ようやく準備が整い、この夏、開始できます。

親御さんは、ご両親で協力しながら、毎日、外出の計画を立て取り組んでいるそうです。
もちろん、暑い中、家事もある中、大変だとは思いますが、「今まで教えたくてもできなかったことができることの喜びの方が大きいです」と連絡がありました。
きっと、この親御さんも「早く夏休みが終わってほしい」「早く学校が始まってほしい」とは言わないはずです。
問題行動で大変だったときも、「いつか落ち着いたら、こんなことを教えたい」と、ずっと心に秘めていたはずなので。


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