2018年12月23日日曜日

内側に流れている時間がズレている

「学校の授業に集中できない」
「指示されたこと、やらなければならないことを、すぐに忘れてしまう」
「人の話を聞くことができない」
こういった状態像を報告すれば、すぐに発達障害、ADHDの診断名が付きますね。
それで、お決まりの服薬が始まります。


集中力の問題で、診断を受け、それから相談に来られる方は少なくありません。
「うちの子、集中できないんです」
「注意散漫で困っています」
と親御さんは言われるのですが、子どもさんは横でゲームに没頭しているんですね。
相談の間中、ずっとゲームしていますので、「お子さん、集中力あるじゃないですか」と言うと、ゲームに関しては、自分が好きなことに関しては、と返ってきます。


ゲームに集中するのが、「好きだから」と捉えている限り、一生答えは出ませんね。
じゃあ、授業が面白くなれば、集中するのか、と言ったら、そうではありませんし。
第一、興味関心の問題だとしたら、服薬する意味がなくなってしまいます。
こういった子ども達の多くは、ゲームが好きだからやっているのではなく、ゲームに主体、身体、生活が浸食されてしまっているんです。


発達の物語を見ても、特に発達のヌケが見当たらない。
親御さんからも、遺伝的な雰囲気を感じない。
でも、本人はADHD。
そうなると、環境要因が匂います。


私は、子どもさんに訊きますね、「ゲーム、面白いの?」と。
すると、ほとんどの子どもさんが「わからない」と答えます。
わからないけれども、やっている。
本人たちも、どうして、こんなにもゲームをしているか、わからなくなっているんですね。
それくらい、圧倒されてしまっている、生活の一部になってしまっている、ということなんです。


ゲームをすること自体は、悪いことではないのかもしれません。
でもね、700万年の人類の歴史の中で、こんなに強い光、スピードの速い刺激は存在しなかったのです。
700万年中、699万9980年くらいは、自然界になかった刺激。
それに対応できるだけの脳も、身体も、まだ進化していないといえます。
ですから、まず第一に、「ゲームのやり過ぎが、人体に影響しているんじゃね」と思わなくちゃいけません。


タブレット、動画、DVDも同じです。
目から、耳から入ってくる刺激に対し、子どもの感覚、脳はすべて反応して処理しています。
洪水のように、今までの人類が経験したことのない自然界に存在しえない刺激に対し、反応と処理を繰り返す。
当然、エネルギーを消費しますし、子どもなら神経発達に使うためのエネルギーが枯渇してしまいます。
同時に、洪水のような刺激に対応するための神経発達が進んでいく。
そうなれば、自然な流れ、スピードと合わなくなります。


授業に集中できない子も、言葉の指示、周囲から求められていることがわからない子も、その子の内側に流れている時間、脳が適応してしまったスピードとズレが生じてしまった結果のように感じます。
遺伝や発達のヌケ、愛着障害の子とは異なり、接していても、「なんか流れる時間のスピードが合わないな」と感じるものです。


本当に多いんですね。
普通級在籍。
今まで発達の遅れを指摘されたことはない。
でも、授業中、ボーとしている、周囲に合わせられない、指示ややるべきことを忘れる。


こういったお子さんのご自宅に訪問しますと、1回で相談が終わります。
圧倒されてしまっている刺激から、本人を遠ざけるだけ。
結局、食事中も、ゲームやタブレット。
起きている間も、布団に入っても…。
それを許しているのは誰ですか、というお話です。
依存するくらいまで、集中力の問題という症状が出るくらいまでも。
こういった子ども達に、いくら薬を飲ませても変わりません。
変わるのは、体調くらいなものです。


スマホ育児を「悪くないよ」と言うのは、忙しい親御さんをターゲットにしたメディア、サービスだけ。
罪悪感を持ちつつも、スマホを乳幼児に与えてしまっている親御さんに、「あなたは悪くないから」と言うことで、雑誌やアプリを買ってもらおうとしているだけですね。
「スマホ育児も、与えすぎなきゃ大丈夫」とか言う医師や専門家は、ちゃんとお金というもらうものはもらってから言っています。


結局、幼い子ども達に精神科薬を風邪薬のように処方する医師も、「ゲームも、タブレットも、スマホも、悪くない」と言うような専門家も、親御さんに忖度しているだけですね。
子どもの発達や健康、将来への影響なんか眼中にはないのです。
たとえ、親御さんにムッとされても、「四六時中、ゲームを許していることが問題でしょう」と言えるかどうか。
本気で子どもに影響がないと考えているのなら、その専門家は終わっている。
影響を知っていて、親に忖度しているのなら、やめちまえ。
一言で解決できることを、薬を飲ませたり、親御さんに忖度したり、学校や社会のせいにしたりするのなら、専門家、支援者なんていなくなれ、と私は思いますね。

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