2015年9月4日金曜日

「学校が怖いところだ」というメッセージになっていないか

新学期が始まる9月1日に、子どもの自殺が多いことが内閣府から発表されたことを受け、特にここ一週間くらい様々なコメントが出されました。
私も東京で8年間過ごしたので、あの長い夏休みが終わる頃の何となくイヤ~な感じはわかります。
別に学校で嫌なことがあったわけではなかった私でも、このような気分になっていたのですから、何とか頑張って1学期を終えた子、いじめられている子などの気の重さと言ったら表現出来ないくらいでしょう。

「死にたい」と思うくらいの子は、絶対に学校に行くべきではないと思います。
命をかけてまで学校に行く必要はありません。
様々なコメントを出した大人たちも同じ考え方だと思います。
でも、コメントの内容があまりにも「学校は怖いところだ」というメッセージ性が強いことが気になりました。
学校に行かないことを勧めることと、学校は怖いところと伝えることを同列に並べて伝えて良いものかと思います。

死にたいかどうかに関わらず、学校に行かないという選択、心身を休めるという選択を行うことはプラスに働くことが多いと思います。
でも、しっかり休んで心身ともに元気になったとき、あまりにも大人が「学校は怖いところだ」というような印象を与えていたとしたら、その子は再び登校しようとするでしょうか。
きっと元気になったとしても、学校には行くことはないでしょう。

子どもの命を守ることは何よりも大事ですが、学校に行くという選択肢を残しておくことも大事だと思います。
もちろん、それでも「学校にはいかない」という子がいても良いです。
でも、学校には問題も多いですが、教科以外にも多くのことが学べる場所でもあります。
いじめは言語道断だと思いますが、先生や級友との交流の中で人間関係を学ぶこともできますし、課題を乗り越える経験、集団における達成感、理不尽なこと、どうにもならないことなどを知る社会の縮図を学ぶこともできます。
人の中で人は育つと思いますし、人の中で自分を知ることがあると思います。

自閉症の子どもの場合、大人が出すメッセージをそのままの形で受け止めてしまう子が多くいます。
親御さんが学校の悪口を言った結果、不登校になった自閉症の子もいました(その子は学校が好きだったのに)。
ですから、ここのところメディアを賑わせたコメントを見て、「学校は怖い場所だ」とか、部分的に切り取り「学校に行くと自殺したくなる」というような受け取り方をする自閉症の子もいるのです。
それらのメッセージが、自殺しようと思っている子どもに向けられたものだとしても。
メッセージの冒頭が「明日、学校に行きたくないと思っているきみへ」とかだったら、ほとんどの自閉症の子が「僕、私のことを言っている」と思ってしまうでしょう。
だって、誰でも楽しい夏休みが終わるのは嫌で、その気持ちの強弱はあるにせよ、みんな「明日、学校に行きたくない」と思っているから。

学校は社会の縮図だと思いますし、社会を学ぶには良い場所だと考えています。
子どもにとって学校が社会なのですから。
その学校が怖いものになってしまったら、社会も怖いものになってしまいます。
そうすれば、貴重な学びの機会を失ってしまうことになりますし、将来への影響が心配になります。

報道されたコメントを見ていると、そのコメントを言っている人の偏りを感じます。
どちらかというと、学校に対して良い印象を持っていない人が多いように思いました。
まあ、学校に関係することなのに、学校の立場からのコメントがないのは仕方がないことですが。
「学校に来なくていいよ」なんて先生たちは言えませんからね。
もちろん、純粋に子どもの命を守ろうとしている人もいますが、「9月1日に自殺する子が多い」という事実を通して、別のことを訴えている人もいることは大人ならわかります。
でも、子どもは、特に自閉症の子ども達は、その辺を想像することが苦手なので、周囲の大人が気をつけることと、勘違いしている部分があれば修正していくことが大事だと感じました。

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