2015年9月27日日曜日

できない理由が「自閉症だから」なのか?

自閉症の人が"できないこと"って何だろう?
空気が読めないことかな。
でも、気遣いができる自閉症の人もたくさんいるし、定型発達の人よりも礼儀正しく、場を穏やかにしてくれる人もいる。

じゃあ、うまくコミュニケーションがとれないこと。
もちろん、"ことばの遅れ"が診断基準にも入っているくらいだから、苦手な人は多いし、言葉がでない人もいる。
でも、経験を重ね、練習を続けていけば、他人とコミュニケーションがとれる人もいるし、言葉がなくても、代替手段を使って意思の疎通を行える人もいる。
"うまく"コミュニケーションがとれない人はいても、まったくコミュニケーションがとれない人はほとんどいないと思う。
もしいるとしたら、それは知的障害などの他の障害が背景にあると考えられる。

ある事柄ができない理由を「自閉症だから」というように、あたかも自閉症がある上にできない、というような発言に抵抗を覚えてしまう。
自閉症だからできない!?
自閉脳だからできないことって、どれくらいあるのだろうか?

感覚の過敏性や鈍麻、こだわりやパターン化を好むという特徴は、"できないこと"とは違う。
自閉脳ゆえに、定型発達の人よりも極端に強く見られる傾向。
聴覚過敏なために、騒がしい人混みの中にいるのが辛いということはあるが、耳栓等の方法で対応できたり、心身が安定しているときなら聴覚過敏が穏やかになり、そのような中で過ごすことができる人もいる。

計画を立て、実行することが難しかったり、"瞬時に"状況判断することが難しかったりする人も多い。
自閉脳は複数の情報を同時進行で処理することが苦手なので、このような場面で困難さを持っている人も多いが、補助する機器や工夫、トレーニングによって可能になってくる人もたくさんいる。
だから、定型脳のように複数の情報を同時に、かつ瞬時に処理することができなくても、行動自体はできる可能性があるといえる。

このようにグダグダ書いてきたが、私が言いたいのは「自閉症だからできない」という発言は、往々にして"正しくない"ということ。
そういった発言をする人は、自閉症の知識が乏しかったり、間違って覚えていたり。
また、エクスキューズとして言っている場合もある。
代替手段や工夫、トレーニングをした上で、本当に「できない」と言っているのか、はしっかり見極める必要がある。

私は「自閉症だからできない」のではなく、「自閉症だからプラスαの困難がある」という方が実態に合っていると思う。
感覚の違いから、常に緊張状態で疲れてしまう。
複数の情報を同時進行で、瞬時に処理できないから、その分理解し、処理するまでに余分なエネルギーを使ってしまう。
また処理する過程の中でエラーが生じやすくなってしまうために、誤学習や未学習へとつながってしまう。
自閉症だからこそ、余分なエネルギーを使い、また誤学習や未学習の可能性を高めてしまう。
だからこそ、心身の安定、脳を楽にする方法、きちんと誤学習を正し、未学習の部分は改めて学習することが大事だといえる。
「自閉症だからできません」という言葉は、周囲に誤解を生んでしまう危険性があり、また支援の方向性を誤らせてしまう可能性があると感じている。

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