2015年7月28日火曜日

パターンのような挨拶に、彼らしさが表れた瞬間

いつも彼は、セッションが終わると、「ありがとうございました」と言い、頭を深々と下げる。
本人の調子が良いときも、悪いときも。

直前まで会話を楽しんでいたとしても、私が「じゃあ」と話を切り上げると、決まってこのように挨拶をしてくれる。
それ以外のことを言うことはないし、挨拶が終わると、くるっと方向を変え、自分の向かう方向へと足早に去っていく。

そんな彼が今日、いつものように同じ調子で「ありがとうございます」と言い、同じように頭を下げたあと、「あっ、大久保さん、試験頑張ります!」と笑顔で言ってくれた。
今日のテーマは、"去り際の会話"ではない。
直前まで試験について話をしていたわけではない。
別れ際、誰であっても、いつどんなときであっても、同じように「ありがとうございました」と言う彼から自然と発せられた言葉。

次に彼と会うときまでに、試験が予定されている。
最近は「試験が不安だ」と悩みを聞いていた。
きっとこのような複数の情報から判断し、私のところにわざわざ戻ってきて言ってくれたのだろう。

彼は、とにかく複数の情報を統合することが苦手だった。
だから、まずは複数の情報を捕まえられるような勉強を行ってきた。
また、思考の固さも目立っていたため、身体の固さを取るためのコンディショニングも続けてきた。
そういった積み重ねが、近頃の彼の成長にもつながっているのだと思う。

パターンのような挨拶に、彼らしさが表れた瞬間だった。
まるで蓋がとれたような。
固くなってガチガチだった彼に余裕が生まれ、彼が本来持っている性格や気持ちが表に出てきたように感じる。
支援者というのは、彼らの上に被さった蓋を取り、その人の資質と成長する力を解き放つ役割を担っているのではないかと思っている。

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