2015年7月7日火曜日

自閉症になる方法はただ1つ

「私は自閉症(発達障害)ですか?」と尋ねられることがある。
でも、誰が見てもご本人様ですね、って方に対しても自閉症とは言えない。
何故なら、私は医師ではないから。
日本で自閉症か、否かを決められるのは医師だけ。
自閉症になる方法はただ1つしかない。
医師のところに行き、自閉症という診断を受けるしかない。

極端なことを言えば、医師が自閉症と言えば自閉症になるし、自閉症ではないと言えば自閉症ではなくなる。
現在の医学では脳を見て判断することは、まだできない。
そのため、表れる行動や成育歴、本人の話などから総合的に判断する。
ということは、医師も人間だし、中には発達障害を専門としていない人もいるので、一定以上特性を持っているのに自閉症にならない可能性も、一定以上特性を持っていないのに自閉症になる可能性もゼロではない。

「自閉脳を持っているから、あなたは自閉症ね」とはならない。
「自閉症の特性が一定以上、私には確認できたから自閉症ね」ということになる。
じゃあ、診断を受ける意義は何だろうか?

一番の意義は、福祉的資源が利用できることになることだと思う。
他には、周囲の人間に説明するときに「自閉症」という言葉が橋渡しになる。
特性だけ言うよりも、「自閉症」という共通言語があると伝えやすい。
決して「自閉症」がまったく同じこと状態を表すのではないが、「私は自閉症です」「あなたも自閉症ですか」というように、伝えるのには共通言語があることが有利になる。

社会的資源を使う予定がない人、"自閉症"として生きていく予定がない人には、診断を受けることをお勧めしない。
それよりも、自分の特徴を知ることの方が、その人の生活を豊かにすると考えているから。
診断名よりも、自分にはどんな特徴があり、どうすれば良いのかの方が大事。
自分の特徴を知ることができれば、どんなときに困難があるかがわかり、事前に対策を練ることができる。

私は"対策を練ることができる"というのが、一番大きな意義だと思う。
そうすれば、困難を回避できるし、工夫もできる。
トレーニングによって見えてきた弱点を成長させることもできる。
自閉症という診断名は、工夫の仕方と成長の仕方を教えてくれるわけではない。
自閉脳を切り口に、自分の脳を知ることが大事になってくる。

自閉症として社会的資源を使うことも、生きていくことも考えていない人には、このような話をさせてもらっている。
その上で、診断を受けるという選択をする人がいても良いと思う。
でも、今のところ、私が関わっている人で、そういう選択をする人はいない。
それよりも、自分の脳の特徴を知り、困難な出来事には対策を練り、成長することで社会との障壁を乗り越えようとする道を選ぶ。
そんな人の中には、自閉症と周囲には言わず、就職して正職員にまでなって働いている人もいる。
また、最初に出会ったときよりも特性が目立たなくなった人もいる。
本人の苦労は、他人からは見えないが、「そういえば、自閉症だったよね」と言って笑い話ができる人もいる。

また「私は自閉症ですか?」と尋ねられることがあったので、診断について私なりに掘り下げてみた。

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