メンタルフレンドサービス開始から1年

昨年の6月から始めた"メンタルフレンド"サービスが開始から1年が経ちました。
結構、ニーズがあり、メンタルフレンドとして定期的に伺っている人も複数います。
中には、メンタルフレンドから発展して、セッションの利用に変更になった人も。

メンタルフレンドは、私が学生時代に行っていた不登校の子どもとのボランティア活動からヒントを得ました。
一緒に遊んだり、時間を過ごすことにより、心の交流を目指した児童相談所が行っていたボランティア活動です。
私も4年間、その活動に携わり、定期的な訪問を行っていました。
そこで、心の交流は子ども達の気持ちを穏やかにし、成長を促す結果にもなることを経験しました。

「てらっこ塾を利用したいけれど、何をトレーニングしたら良いかわからない」
また、「本人がトレーニングを受ける心身の状態ではない」
というような本人や親御さんのニーズを受けて、実施しています。
「本当は友だちが欲しい、家族以外で相談に乗ってもらえる人がいたら良いのに、とずっと思っていた。
でも、普通の家庭教師だと自閉症の理解がなく、当事者同士だと、なかなかうまく交流ができない。
そんなときに、自閉症のことを理解してくれる人で、一緒に時間を過ごしてくれる人がいて良かった」というお話もよく伺います。

メンタルフレンドの意味づけは、利用してくれる本人が行ってくれます。
自信をつけたい人、共感してもらいたい人、誰かと一緒の時間を過ごしたい人、自分の趣味を共有したい人など、利用してくれる人とニーズは様々です。
ただ言えることは、みなさん、理解や共感を求めているということ。
それが満たされれば、次のステップに進める人もいます。

メンタルフレンドを利用してくれていた人が、「今の状況から抜け出したい」「〇〇ができるようになりたい」など、将来に向けた前向きな発言が自然に出てくることもあります。
電話をかけた当初は、なにをどうしたら良いか分からず、途方に暮れていたという本人や親御さんもいましたが、気持ちが満たされることによって、自らの足で進もうとする力が湧いてきた人もいます。

定型発達の人は、自然に友だちや仲間、コミュニティーを作り、そこで気持ちを満たす場合があります。
しかし、自閉症の人にはうまく他人との関係性を持ち、それを継続することが難しい場合もあります(もちろん、仲間もいて、より良い人間関係を築いていく人もたくさんいます!)。
ですから、そのような方にとってメンタルフレンドは、心の交流の機会の提供と人間関係の構築に向けたステップとして利用してもらえれば、と思っています。

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