2015年7月27日月曜日

他人の気持ちがわからないと出てくる思考の癖

もう一年くらいの付き合いになる学生さんは、他人の気持ちを想像することが苦手。
初対面の人や知り合ったばかりの人、時々、会う人などは特に。

その学生さんのユニークなところは、「相手の気持ちがわからない」という宙ぶらりんの状態のままにしておかないこと。
必ず相手の気持ちを「こうだ」という風に決めます。
ただ他人の気持ちを想像すること自体が苦手なため、過去にあったその人とのやりとりや、今の状況から想像するのではなく、自分自身の主観、思考の癖によって相手の気持ちを確定します。

その学生さんは、子どものときから、友だちと遊ぶというようなことは、ほとんどなかったと言います。
小さいときは、相手の気持ちがわからず、歳の近い子ども達は、ただ怖い存在だったようです。
学校に上がっても、このような状態だと、なかなかうまく集団生活に馴染めず、関係を作っていくのも大変でした。

こういった積み重ねが「年齢の近い人達は怖い存在」という思考を作り、相手の気持ちが読み取れない場面になると、「この人はネガティブな感情を持っている」というように解釈します。
この繰り返しで、ますます他人と関わることが怖くなるという負のスパイラルの中で、ぐるぐる回っていたときに、その学生さんと出会いました。

一年くらい経ち、やっと他人への恐怖感が薄れてきたように感じます。
表情やジェスチャーなど、言葉以外のメッセージの読み取り方、いろいろな状況から想像できることなどの知識面の学習と、実際に他人と関わってネガティブではない反応を得る経験の積み重ねを行ってきました。
今では「先生は私のことを迷惑な人とは思っていないのですね」とか、「私も同級生のことを嫌わないようにしなければなりませんね」といった発言も聞かれるようになりました。

社会に出たとき、どんな人とも仲よくする必要はありませんが、理由もなく、相手のことを嫌ったり、近づいてくる人をすべて拒絶するのは可能性を狭めてしまうと思います。
「だいたい多くの人は、他人のことをいちいち注目していないし、好きでも、嫌いでもない"普通"というカテゴリーに入れるよ」というと、その学生さんはとても驚いていました。
こういった見えない事実も、丁寧に勉強する必要がありますね。

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