2020年6月4日木曜日

【No.1070】世代特有の発達

この前、息子たちを連れて郊外の大きな公園に行ったら、驚くことがありました。
公園の入り口のところに『三密に注意してください』と書かれていたのです。
おいおい、ここは札幌ドームが2つくらい入るくらいの広さ。
三密を作ろうと思えば、10万人は集めなきゃなりません。
どう見ても100人もいませんでしたし、函館の人口の3分の1が一堂に会するとも思えません。
つまり、これも脊髄反射の人たち向けのお仕事で、「ちゃんと対策やってますから」と言いたいがためなのでしょう。


そんな広い公園にも関わらず、子ども達の中にはマスク姿の子もいました。
さんさんと陽が降り注ぐ中、マスクをつけて走り回る子ども達。
やっと「熱中症の危険がある」という声明が出ましたが、真っ赤な顔をしている子ども達を見ると、本当に大丈夫かなと思ってしまいました。
ここでコロナに罹るリスクと、熱中症になるリスクはどちらが大きいのか。


これからの季節、熱中症も心配なのですが、それ以上に酸欠、息が深く吸えないことが子ども達の発達に及ぼす影響のほうが私は気になります。
幼児さん達は走り回ることで呼吸を育てますし、呼吸を育てたいから走り回るともいえます。
そうやって酸素が思いっきり摂り込める身体を作り、それが加速する脳や神経の発達に繋がっていく。
当然、息が深く吸えないというのは、それだけで心身にも影響を及ぼすことになります。


赤ちゃん時代からの運動発達がひと段落し、さあ、ここから呼吸を、動きを育てようという時期の子ども達。
そのような子ども達にとってこのマスク生活は、後々に影響を及ぼしていくのでは、と心配しています。
既に夜の寝つきが悪くなったお子さんや、学校や幼稚園などですぐに疲れてしまう子ども達が出ているようです。


子ども達だけではなく、親御さん、特に妊娠されているお母さんへの影響も心配しているところです。
それはコロナに罹る心配ではなく、お母さんが浅い息を続けることで体調が悪くなったり、胎児への酸素の供給が少なくなったりする心配です。
胎児が生きるためにも、神経発達を続けるためにも、母体から届けられる酸素が必要になります。
その酸素の量が減れば、胎児期の神経発達に影響が出るのは自然なことです。


また、今胎児期を過ごしている子ども達、春以降生まれてきた子ども達の中には、背中を丸めた子、背中が固い子が多くなるような気がしています。
ただでも不安が強い妊娠の時期に、さらに不安を感じやすい世の中で多くのストレスを感じたと思われるお母さん達。
それは胎児に伝わり、恐怖麻痺反射(『人間脳を育てる』花風社 参照)が発動され続けている子も少なくないと想像できます。
たぶん、この年代の子ども達は、呼吸の面で課題を抱えている子が多いでしょうし、ここをより丁寧に育てていかなければ、全体的な発達の遅れとなって表れる子も出ると思います。


全国の実践家の人達は知っていると思いますが、東日本大震災のときにお母さんのお腹の中にいた子ども達の中にも、背中を丸めた子、背中が固い子、呼吸が浅い子、呼吸を止めちゃう子が多いことが知られています。
今から3、4年前でしょうか、2011年生まれの子ども達からの相談が他の年代と比べて極端に多くなった時期がありました。
そして、どのお子さんも呼吸と背中に課題を抱えていたのです。
ちょうどその時期はHSPなどが流行りだした時期でしたので、「もしかしたら、うちの子もHSP、極端に繊細な子?」みたいな相談も多かったです。
でも、驚いたときに息を止める子が多かったので、胎児期から続く発達の遅れが主だと感じました。


東日本大震災のときは、心理的なストレス、不安が大きかったですが、今回はそこにプラスしてマスク、酸欠、巣ごもり状態があります。
2011年生まれの子ども達と同じように、2020年生まれの子ども達が年中、年長さんになった頃、また一気に課題を持った子ども達からの相談が増えるかもしれないと心配しています。
もちろん今から、妊娠されているお母さん達に「呼吸を丁寧に育ててください」「背中の固さを取ってあげてください」とは伝えることができません。
しかし、これから数年後相談があったとき、2020年生まれの子ども達を「呼吸」「背中」という視点から見ていくことはできます。


最後に余談になりますが、幼稚園や保育園、学校の先生から、「ちょっとこの学年は違うよね」と相談されるのがやっぱり2011年代の学年でした。
出張先の土地でも言われるので、どの地域でも、どの業種でも、うすうす気づいている人達は多いようです。
そんなとき私は、「災害の記憶は世代をまたぐ」という話を思い出します。
親の世代が体験したことなのに、まだ当時生まれていなかった子どもが同じような場面で同じような反応を示すことがあるそうです。
遺伝子にその体験が組み込まれて次の世代に行くのかはわかりませんが、既に命を宿した胎児なら同様の体験をしたと考えても良いと思います。
発達は環境の影響を受けますので、世代特有の発達というものもあるでしょう。



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