2014年3月15日土曜日

禁止事項が増え続ける"負のスパイラル"

 こういった自閉症の人の視点を理解していないと、負のスパイラルに陥ってしまうことがあります。

「友だちを叩かなくなったけれど、今度はキックするようになった。だから、『友だちをキックしません』という禁止事項も加えよう」
などといって、キックに関する禁止事項を加える。
そうしているうちに、今度はチョップするようになり、チョップを禁止したら、噛みつくようになる・・・。
気が付いたら、禁止事項が教室中に貼ってあるような状態に。

また、「一部の友だちを叩かなくなったけれど、まだ叩いてしまう子がいる。だから、叩いてはいけない人の写真を撮って、禁止事項の下に貼っておけばいいんだ」
などといって、クラスメイトの写真を撮り、先生の写真を撮り、どんどん貼っていく。
クラスが替わったり、新たに叩く人がいたら、その写真を加えていく・・・。

時々、禁止すること自体が目的になってしまっていると感じる支援を目にすることがあります。
上記のような負のスパイラルに陥ってしまうと、永遠に問題は解決しないでしょう。
すべての禁止事項を書き表すことはできないからです。
また、支援される立場から見て、禁止事項だらけの支援、世界をどのように感じるでしょうか。
私だったら、そんな人に支援してもらいたくありませんし、そんな禁止事項ばかりの世界では疲れ果て、逃げ出したくなります。
目的は禁止事項をやらなくすることではなく、望ましい行動を身につけることのはずです。

「自閉症の人には、文字に書いて見せれば良い」
というような表面的な理解だけで支援を行っている人は少なくありません。
上記のような場合ですと、文字に書いて禁止するのではなく、叩いてしまう行為の背景を分析すること。
そして、禁止事項ではなく、望ましい行動(ex.上手な友だちとの関わり方、意思の伝え方)を教えること。
この2つの視点が、自閉症の方たちへの支援の基本になると、私は考えています。

『禁止事項への対応の仕方』に続きます。

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