【No.1375】アセスメントとは評価するものではない
発達障害か否か、自閉症か否かは、すべて主観です。
そうです、始まりの診断が主観なので、アセスメントに主観が入らないはずがないのです。
親御さんの主観があれば、医師、先生、支援者の主観がある。
その主観同士で、「誰を優先させるか」「なにを優先させるか」でああだこうだと言っているのが特別支援の世界。
たとえば、学校ではおとなしい子が、家で親の言うことを聞かず、ときに暴れることだってある。
じゃあ、おとなしい姿と暴れる姿は同じなのか、違うのか。
その姿を見て、「学校は構造化、支援がちゃんとしているからね」と主観で評価し、「家はちゃんとしていないから」「愛着障害があるから」「お母さんがメンタルやられているから」暴れるんでしょと主観で評価する。
また医師は「じゃあ、薬出しましょう」と、学校での姿を切り捨て、家で暴れる姿を優先させる。
ひとは複雑系な生き物で、そのすべてを言語化することも、評価することもできません。
当然、環境が異なれば、表出、行動の仕方は異なります。
そこにかぶさるようにして、それぞれ周囲にいる人間の主観でその子を評価する。
だから本来、アセスメント、評価をしようとすれば、子どもの姿はぐちゃぐちゃになる。
却って「わからなくなる」のがアセスメントの本質。
その「わからなくなる」を「わかりやすくできました」としないと、専門家としての資質が疑われる、またその支援サービスが売れないので、「わかりやすくできました」風に加工がされるのです。
その典型が勝手に枠を作り、範囲を狭め、「ここだけ見てね」とする方法。
「我が子の評価」だと無限だが、「作業場面」「排泄の面」「運動機能」「数唱」「小学2年生の国語の点数」とすると、整理された風になる。
だけれども繰り返しになりますが、だれか第三者の目によって「この姿、評価を優先しよう」と決められているのが現状。
その評価の陰で、大多数の姿、評価が切り捨てられてしまっている。
これでは本人主体ではなく、ゆがんだ他者評価によって教育、支援がされてしまいます。
何よりも、本人が、その子の内側が「今、育てようとしている」ところを後押しすることができなくなってしまう。
「あなたがどう育ちたいのではなく、私たちがどう育てたいかで育てる」
ひとの発達には客観的な基準、尺度は存在しません。
「娘さんは5歳4か月だけれども、発達年齢で言ったら1歳3か月」というのは、「人工的に作られた目安ではそうなっていますよ」ということで、本当にその子が1歳3か月の発達段階かはわからない。
取捨選択された能力を基準に照らし合わせると1歳3か月になるかもしれないが、切り捨てられた能力の部分では年相応に育っているところもあるでしょう。
つまり、「アセスメント」自体が支援サービスの1つになってしまっていて、子ども本人の立場に立ったものとはいえないのが現状です。
私は「アセスメントとは評価するものではない」と考えています。
もちろん、発達状態や能力、習熟度などを確認する必要はありますが、それはおうちの子育てには使えない。
「IQ68ですね」と言われても、だから今日どういった子育てをしようか、という発想にはつながっていきませんね。
むしろ、「知的障害の範囲に入ったから、無理させないでおこう」「多くを求めないでおこう」「支援が必要だ」というように育むから反対の方向へと進ませてしまいそうです。
大事なのは我が子がよりよく育ってくれるようなアイディア、後押しにつながっていくようなアセスメント。
その子の未来がよりよいものへと進んでいけるようなアセスメント。
そんなお話を今度の講座でしたいと考えています。
知能検査や発達検査とは違った家庭中心の、日々の生活の中で行えるアセスメント。
以下、レジュメを紹介しますので、ご興味がある方はお申し込みください。
録画配信になります。
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『伸びしろはどこにある?治しやすいところから治すためのアセスメントを知ろう』
てらっこ塾 大久保悠
PART1 “アセスメント“について整理しましょう
①なんでアセスメントが必要なの?
②治っていかない家庭の多くは、アセスメントで躓いている
③アセスメントには三つの領域がある
PART2 阻害要因のアセスメント
①いつから発達がズレ始めたか
②1980年以降に生まれた私たち
③縄文人の生き方
PART3 育つ条件のアセスメント
①発達の条件は整っていますか?
②ストレスが神経発達に及ぼす影響
③生体反応とデトックス
PART4 発達援助のアセスメント
①五感を使おう
②右と左と真ん中の偏り、歪み、違和感
③フラクタル構造を見つけよう
④「心地よい」ってどんなとき?
PART5 アセスメントのケーススタディに学ぶ
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本講座の主催は花風社さん
お申込みの方はzoom☆kafusha.com(☆を@にかえてください)まで
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をお書き添えの上、メールをください。
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