2019年3月7日木曜日

『NEURO 神経発達障害という突破口』(花風社)を読んで

今週、ある若者から連絡を頂きました。
「アルバイトを始めました!」という連絡です。
この若者は、長年、支援センターに通い、病院にも通い、そしてひきこもっていたのです。
昨年12月にお会いし、脳のバランス、発達のヌケの確認をし、その育て方のアイディアを紹介。
また花風社さんの本と、藤川徳美医師の本を紹介し、あとはご自身で本を見て実践したり、プロティンやサプリを飲んだりしたそうです。
そして長年、変わらなかった状態を、専門家、医師がどうにもできなかった状態を、ご自身で突破されたのです。
本人も、家族も、涙を流して喜ばれていました。


この仕事を始めてから、多くの涙を見てきました。
上記の若者、家族のようなうれし涙だけではありません。
「本当は、みんなに理解してほしいんじゃなくて、その辛さを分かってほしいんだよね。そして少しでもその苦しさを取ってほしいんだよね」
そんな言葉を聞いて、泣き崩れる若者に何人も、何十人も会いました。
「障害者枠で働いていることが辛いんだよね。障害者として生きることが辛いんだよね。一人の人間として生きていきたい。自由になりたいんだよね」


このように本人たちは、理解よりも、保護される中で生きることよりも、少しでもこの苦しみから逃れられてラクになること、同世代の人達と同じような自由で、成功も、挫折もあるような人生を送ることを望んでいる。
若者たちと話すと、いや、小学生の子ども達ですら、治りたいと思い、治る方法を知りたがっている。
ある小学生の子は、治ることを知り、「学校の先生も、病院の先生も、みんな『治らない』っていうけれども、治るんだって。僕だって、普通になれるんだ!僕は頑張りたい!」と言って行動し、今は普通の生徒として学校生活を送っています。


当然、本人たちが治りたいと思うように、親御さん達も治ってほしいと願っています。
だからこそ、「治る」という言葉を聞いて、治すアイディアを聞いて、実際に治っていく様子を見て、涙を流されるのだと思います。
「普通の子育てはできない」「家庭でできることはない」というメッセージを専門家から送られ、ずっと「治ってほしい」という想いに蓋をしてきた。
「治らない」という絶望的な言葉の上に、普通の子育てすらできないという親としての否定すら受け続ける。
親御さんが流す涙は、うれし涙よりも、悲しみで溢れています。


私自身、二人の子を育てる親、子育て世代です。
私は近頃、同世代の親御さん、治している親御さんにこう言います。
「私たちの世代で、悲しみの涙を流すのは終わりにしましょう」と。
当然、子育てをしていれば、生きていれば、楽しいことだけではなく、辛いこと、苦しむことがあります。
でも、私が見てきた親御さん達の涙は、必要な涙だといえるのでしょうか。
治すために今、頑張っている親御さん達も、最初は絶望の涙を流したこともあるでしょう。
その絶望の涙は、流す必要がある涙だったのでしょうか。


先週の日曜日、3月3日に花風社さんの講演会に出席してきました。
今まで花風社さんの講演会には二度行ったことがあります。
一度目が浅見さんと南雲さんの講演と、栗本さんの実践の会。
ここで私は、本気で治したい、本気で子ども達の未来を良くしたい、という想いを強くし、また社会性の土台が身体から育っていくことを肌身で感じました。
二度目は、栗本さんのコンディショニング講座。
支援者としての、子どもと向き合う人としての心構え、身体の使い方を教わりました。
どちらも、その講演会が、私の支援者として、事業として転機になったと思っています。


そして今回の講演『神経発達障害という突破口』
私は、浅見さんの講演を聞き、やっぱり私たちの世代でケリをつけないといけない、終わりにしないといけないという想いを強くしました。
子ども達の人生よりも、親御さんの願いよりも、支援者側の都合で展開されてきた特別支援の世界。
しかも、絶望の涙の大元の「治りません」は事実ではなく、嘘であった。
浅見さんの講演は、会場にいた私達に向けられていたようで、違うような気もしました。
浅見さんの言葉、想いは、もしかしたら、未来の子ども達、これから親になる人達に向けられているのではないか、そんな風に私は感じたのです。


私は、このブログで紹介させていただく花風社さんの新刊『NEURO 神経発達障害という突破口』を読んで、これこそが最初に読むべき本だと思いました。
最初に読むとは、我が子の発達が気になったとき、診断を受けたとき、これからどうしようと思ったとき、最初に読んでほしい、という意味です。
この本は、今までの親御さん達が流した絶望の涙を、これからの親御さんに流させないための本。
そして神経だからこそ、「あのとき、私がああすればよかった」などと後悔するところから一歩踏み出す希望を与えてくれる。
神経だからこそ、やりようがある、育てようがある…治るんだ!!


本が届いたとき、仕事に出る前でしたので、郵便局にまず振り込みに行き、そしてチラチラッと最初の方のページをめくりました。
巻頭に出てきたマンガを見て、感情が揺さぶられました。
絵を描くプロというのは、絵がうまい下手だけではなく、人の心を動かす絵、人の心が宿った絵が描ける人のことをいうのだと私は初めて知りました。
あのマンガは、著者である浅見さんの想いと、全国の当事者の方達、親御さん達の想いが宿り、表現されていた絵だと感じました。


私も、この仕事をあとどれくらい続けるかはわかりません。
でも、これから出会う親御さん達に、この本を紹介し続けると思います。
また私自身も発達障害の人達と関わっている限り、そのとき、そのときで読み返し続けると思います。
もう絶望の涙を流すのは、私たちの世代で最後にしましょう。
これからは、どうやって治していくか、どうやってより良く子どもを育てていくかに涙と汗を流していくのです。


今回の講演会、新刊を読んで私は思います。
私たちの世代は、浅見さんから宿題とエールを送られた、と。
今の子ども達、親御さん達、そして未来の子ども達、親御さん達のために、一人ひとりができることを行っていく。
それは治った者同士で手をつないでいくこと。
治ったエピソードが積み重なっていけば、未来の子ども達、親御さん達の希望になることができるのですから。




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