"できる"は具体的に
私は、"できる"という表現を文章や話の中で使うときは、気を付けるようにしています。   "できる"という表現には・・・  ◇過 程 : すべてできる or 部分的にできる  ◇手助け: 独りでできる or 手助けがあればできる  ◇調 子 : 調子が良くても悪くてもできる or 調子が良いとできる  ◇頻 度 : 毎回できる or 〇回に△回できる  ◇理 解 : やり方を理解しできる or 理解はしていないが形で覚えていてできる  ◇場 所 : どこでもできる or 家庭、学校ならできる   などが要素として含まれています。    自閉症の人たちに共通する点として、  能力を発揮するためには環境が大きく影響することが挙げられます。  独りでできていたことが急にできなくなったり、  家でできていることも外出先だとできなかったりするといったことがあります。   また、複数あるプロセスを理解し、実行することが苦手なことも挙げられます。  包丁で野菜を切ったり、フライパンで具材を炒めたりすることはできるのに、  1つの料理を作ることができない。  1つ1つの技能は持っているのに、連続して行うとできなくなるといったことです。   そして、意味を理解していないが、形やパターンとして行っていることも挙げられます。  誤ったことをしたとき、「ごめんなさい」と言えるが、その"謝る"という意味が理解できていない。    環境に影響されやすかったり、複数の過程を行うことが苦手だったり、物事をパターンで覚えてしまったりする人たちなので、支援者によってはその人のある部分の能力しかみられないといったことがおきます。  そんなとき、支援者同士で評価や意見が食い違わないようにするためにも、  "できる"という表現を使うときには、環境や条件に付いても具体的に伝えることを心がけています。