【No.1525】豊かさのあるアプローチ

さっき調べたら花風社さんの書籍『自閉っ子心身をラクにしよう!』が出版されたのが2014年ってわかってびっくり。
なんだか最近出たような気がしていたし、もう12年も前のことだって。
今日から11月というのもそうだけど、とにかくときが経つのが早い、年取ると。
当時を思い返せば、かなりインパクトがあって、それこそ象徴的な『金魚体操』は全国どこのおうちに訪問してもやってましたね。
私に対するリクエストでも、「金魚体操をしている様子を見てください」「合っているか、教えてください」「大久保さん、やってみてください」というのが多かったですよ。
あちこちで、いろんなご家庭で金魚体操、私もしてました(笑)


それからときが経ち、やっぱり20年以降は徐々に実践する家庭が減ってきた。
2014年、まだお母さんじゃなかった人たちも増えてきたからね。
でも私は子どもさんを見て、有効だなと感じる家庭には今も伝えてる。


金魚体操って、ひとによって意味が変わってくると私は考えています。
身体の緊張を弛める意味での人もいれば、頭と身体の繋がりをよくする意味の人もいる。
またトラウマ処理に繋がる人もいれば、親子の触れ合い、息を合わせる行為自体が愛着形成を進める行為となっているケースもあった。
他にも、金魚体操の効果というよりも、金魚体操を通して子どもを観察する力、日々の変化に気が付く力を養った親御さんもいたね。
「子どもの身体は揺れることによって歪みがとれる」というのは古くから言われていたことだけど、金魚体操はそこに留まらなかったのがポイント。
金魚体操はひとによって意味合いが、効果が変わってくるという点が優れていたから、あれだけ広まったんだと思っています。
なにか一つだけをターゲットにしたアプローチはつまらないもんね。


だけど、当時から私は伝えていたけど、1年も、2年も、毎日、続けるもんじゃないってね。
もし毎日、金魚体操しなければならない身体だとしたら、身体側の不具合、発達のヌケが育っていないということだから、それは問題。
そうじゃなくて、ただ「良いから」っていうので続けていても問題。
子どもの成長のゴールは自立だから、金魚体操が自分でできるようになる、金魚体操で得られた効果を別の形で、ひとを介さず自分で完結できるものへ変えていく、っていうのが大事でしょ。
この視点がないと、子どもの身体が大きくなってできなくなったからやめます、親の私が年をとって、あちこちが痛くなってできなくなったからやめます、っていう感じで、最後が本人のニーズではないところで放り出されちゃう。
支援者、学校都合というのはよく聞くけど、結構、親都合で打ち切りもあるよね。


金魚体操でいえば、子どもさん本人が「今日はお願いしたいなぁ」というように自分の内側にあるニーズや変化に気づき、依頼ができるようになることが第一歩。
「毎日、寝る前に3分間、日課としてやります」という家庭では、子どもの方が緊張しちゃって却って身体がガチガチっていうのも結構見てきたから。
で、金魚体操で心身を調整しつつ、根っこのほうの発達のヌケを解決していき、徐々に必要がなくなるように、必要なときは自分自身でできるようにしていく。
これが理想な形だよね。


今日は金魚体操をテーマに話をしてきたけど、これはどんなアプローチにも言えること。
よいアプローチっていうのは、受け手によってやり方が変わる柔軟性と、受け手によって意味や効果が変わる豊かさがあるんです。
ピンポイントでしか治せないアプローチは、ピンポイントの人しか治せない。
さらに子どもの発達、神経はいろんなところと繋がっていて“芋づる式に育って治る”という特徴を持っているから、ピンポイントのアプローチは子どもには合わないよ。
「やったら、なんかいいんだよね、子どもの調子が」「成長している感じがある」
そんなやった感じの印象がボヤっとしているアプローチのほうが良かったりするね。




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