湧き出る想いは「成長の出発地点」

その子から湧き出てくる想いが、成長のきっかけになる。
私はそう思って、子ども達と関わっている。


ある子は、「勉強がわかるようになりたい」と言った。
医師も、担任も、支援者も、みんながみんな「それは無理だ」と言ったが、私は掴んだ成長の端っこを離す気はなかった。


私は勉強できる身体作りと、勉強する習慣作りをお手伝いした。
あれから半年。
この子は、勉強の準備ができた身体で、毎日、コツコツと家庭学習を続けている。
100点の答案はもう少し先になりそうだが、それでも訪問するたびに、嬉しそうに答案を見せてくれる。


「勉強がわかるようになりたい」という湧き出る想いが満たされていくと、成長が枝分かれしていくように感じた。
「はい」か「いいえ」、単語だけのやりとりだったのが、自然な会話ができるようになった。
周囲の子と喧嘩ばかりしていたのに、毎日、一緒に遊ぶ約束をするような友だちができた。
家でお手伝いをするようになり、夜は自ら布団に入るようになった。


子どもはときに、湧き出る想いを表現することがある。
それを聞いて「何故?」「急に?」「難しいんじゃない?」と、頭が反応する。
でも、そこには字面からは読み取れない表現が重なりあっている。


子どもというのは、何をすれば、自分が成長、発達できるか、を知っている。
一見すると、突拍子なく、現実離れしているように感じることでも、その子にとっては、それが答えなのだ。
子ども自体も頭では分かっていないかもしれないが、その子の身体がそう言わせている、ということもある。


子ども達の湧き出る想いを両手で掬うことができているだろうか。
湧き出る想いは、成長の出発地点を教えてくれる。

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