2016年6月9日木曜日

「変わりたい」と口では言いながら、心のブレーキをかけている人

口では「成長したい」「自立したい」「働きたい」と言うのですが、実際の行動を見ると、そうは思えない人が時々、います。
「どうにかしてほしい」などという依頼があって伺うのですが、何だか後ろ向きな発言。
実際に取り組みを始めたとしても、ノル気じゃないんですね。
状況から見ても、本人の様子を見ても、「このままじゃいけない」「変わった方が良い」と思えるのにも関わらず、自らで変わることにブレーキをかけている感じです。

会議や学習会に呼ばれて伺うこともあるのですが、やっぱりここでも同じような感じの人がいますね。
「助けて欲しい」「今が辛い」なんて訴えるんです。
でも、周囲の人が手を差し伸べようとすると、さっと手を引っ込める。
そして、何も変わらないまま、以前の場所へと帰っていく…。

こういう人達は、怖いんだと思いますね、変わることが。
もちろん、感覚として現状の辛さは認識しているし、変わらないければいけないことも分かっている。
でも、変わらない怖さよりも、変わる怖さの方が大きいと感じているのだと思われます。
辛い状況にいる自分だからこそ、周囲からの同情や注目、時間などの得られているものがある人。
辛い状況にいる自分だからこそ、競争や責任、労働などから回避できているものがある人。
内面の土台が不安定であり、未知の世界に飛びだせない人。
今までの経験から、社会自体に恐怖感を持っている人。
今までの経験から、他の人と同じようにすることは無理だと思いこんでいる人。
障害自体を自分のアイデンティティーにしちゃっている人。

変わることに対して自分でブレーキをかけている人達は、その態度からだけではなく、成長度合いからも、すぐにわかります。
本気で変わりたい、現状から抜け出したいと思っている人は、事の重大さ、障害の重さに関わらず、どんどん成長していきます。
セッションをしていても、一週間前とは別人に感じることが多々あります。
それくらい短期間で変わっていきます。
一方で、ブレーキをかけている人達は、例え真面目に取り組んだとしても、例え課題や障害が軽微だったとしても、なかなか成長していきません。
もちろん、途中で本気で変わりたいと思うようになれば、そこから急速に成長していくこともあります。

自分自身で「変わりたい」と強く心の中で思えることが、取り組みの一歩であり、未来を変えることにつながります。
いくら周囲が変わることを願っても、本人の中にその意思がなければ、自分でブレーキをかけていてはどうしようもありません。
ですから、心のブレーキを外せるように導いていくことも大事な支援となります。

ちなみに、本人ではなく、親御さんの方が口では「変わってほしい」と言っているのにも関わらず、本心では変わってほしくないと思っているバージョンもあります。
成長を促す方法を伝えても、「やります」と言いながら、まったくやらなかったり。
「こんなところができるようになりました」とか、「このままいけば、自立できますね」とか言うと、喜ばないばかりか、「でも…」と一生懸命可能性を否定するようなことを言い続ける人もいますね。
中には、学習効果を奪うようなことを敢えてする人もいます。
こういう親御さんの多くは、困難がある子を育てている自分というアイデンティティーを持っている方です。
その子がいることで、自分の存在意義を感じているような人。
我が子の目の前の辛さは取り除いてほしいけれど、自分から自立してもらっては困る。
ご自身で気づかれていないことの方が多いと思いますが、心の奥そこではこのような想いを持ち、ブレーキをかけてくる親御さんもいるのです。

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