「人間脳を育てる~動きの発達&原始反射の成長」(花風社)を読んで

ページをめくるたびに、自然と首を縦に振っている。
読み進めているうちに、点在していた知識が統合されているのが、自分でも分かりました。

「動きの発達」
「原始反射」
「脳の機能」
「学習」
「コミュニケーション」
「言語」
「情緒」
「身体」

これらの知識は大学で学びましたし、社会人になってからも学び続けることが必要な知識でした。
しかし、自分の中で知識は更新されていっても、きちんと統合ができていなかったと気づかされました。
それぞれがどのように影響し合い、どのように関連しているのか?
このことを改めて著者の方に教えていただきました。

この本は、明らかに専門書だと思います。
お偉い先生方々が書かれている書籍と深さは変わりがありません。
でも、この本には深さだけではなく、広がりがあります。
広がりとは、アイディアの広がりです。
「我が子のここを観てみよう!」
「こんなことを一緒にやってみよう!」
「今日からできることは、これかな!」
というように読んでいる最中、大切な人の姿が浮かんできて、自然とアイディアが連なっていくのです。
そして気が付いたら、カスタマイズされた支援が出来上がってくる、そのようなイメージです。

読み手の着想を刺激してくれるというのは、基礎となる原理原則、メカニズムが明瞭でとてもわかりやすく記されているからだといえます。
でも、それだけでは動きが出ません。
専門的な知識という深さに、横の広がりが加わると、「今日からやってみよう!」という動きが生まれるのだと思います。
この横の広がりを生みだしているのは、著者の方が実践家であり、子ども達の姿から学んでいるからだと思います。

「背筋を伸ばし、お茶碗と箸をもって食事する姿」
「子どもは発達に必要な遊びを知っている」
「発達はシャンパンタワー」
「動きの発達の遅れやヌケ」
など、発達援助の核となるキーワードがたくさん出てきます。
特に私がこれから大切にしていこうと思うキーワードは「回数券を使い切らせてあげる」です。

この本を読めば、子どもはもちろんのこと、成人してからも遅くないことがわかると思います。
ぜひ、一人でも多くの方に読んでいただき、お子さんを、またはご自身を発達させていってもらいたいです。
今日からご家庭でできることがあります!
私自身、今後、発達援助に携わっている限り、何度も読み返すであろうと感じる貴重な情報が詰まった本を紹介させていただきました。
この本に記されている内容が、親御さんにとっても、支援者にとっても、スタンダードになる日を心より願っています。

https://www.amazon.co.jp/%E4%BA%BA%E9%96%93%E8%84%B3%E3%82%92%E8%82%B2%E3%81%A6%E3%82%8B-%E5%8B%95%E3%81%8D%E3%81%AE%E7%99%BA%E9%81%94-%E5%8E%9F%E5%A7%8B%E5%8F%8D%E5%B0%84%E3%81%AE%E6%88%90%E9%95%B7-%E7%81%B0%E8%B0%B7%E5%AD%9D/dp/4907725973
人間脳を育てる
~動きの発達&原始反射の成長~
灰谷孝 著 花風社

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